不良飼い主・動物取扱業にたいする福祉面の指導第一種、第二種動物取扱業、不良飼い主に対し、福祉的な指導が行われていないことを指摘、福祉的な指導を行うための具体的な基準を県として策定して欲しい旨を要求した。 ■動物取扱業 行政は不良飼い主や動物取扱業に対しては私たちの求めに応じ指導を行ってくれるが、指導時には、罰則規定に基づくだけでなく、基準や通達に含まれる内容も含めて指導を行っていないという現状がありる。とくに多いのは、劣悪環境に置かれた動物の問題であるが、これは具体的な規定のある給餌給水、清掃のみを指導する傾向にある。しかし、「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」には、「第3条 飼養施設に備える設備の構造、規模等は、次に掲げるとおりとする。 一 ケージ等は、個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、羽ばたく等の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有するものとすること。また、飼養期間が長期間にわたる場合にあっては、必要に応じて、走る、登る、泳ぐ、飛ぶ等の運動ができるように、より一層の広さ及び空間を有するものとすること。」とあり、その動物の生態、習性及び生理に応じた必要な運動、休息及び睡眠を確保し、並びにその健全な成長及び本来の習性の発現を図るようにということが規定されている。 ■家庭動物 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の第4 2項に「2 犬の所有者等は、犬をけい留する場合には、けい留されている犬の行動範囲が道路又は通路に接しないように留意するとともに、犬の健康の保持に必要な運動量を確保するよう努めること。」とあるが、通常何平方メートルのスペースが有ればよしとしているか、犬の運動量の具体的な規定がない。そのため、指導は曖昧であり、飼い主が時々散歩に行っていると答えればそれ以上の指導が行われず、改善につながらない。 取扱業、家庭動物双方について、適切な指導を行うことができるよう、下記のような指導基準を内規として作成することを求めた。これに対し、パンフレットのようなものであれば検討可能であり、今後実現に向けて働きかけ、協力を行うこととなった。 ■基準例:(ARC作成の最低限の基準) 以下の細目の内容が指導を、取扱業を含む家庭動物の立入り指導の際、行うこと。 以下の最低限の基準を満たすこと。この基準をさらに向上させるように詰め無くてはならない。 1.犬を繋留する場合は、 a) 2m以上のガイドレールと、5m以上の綱を利用し、動ける範囲を確保すること b) 最低限の綱の長さは、3m以上とすること 2.犬又は猫を室内、または屋外で放し飼いの場合は a) 1頭当たり、猫及び小型犬、中型犬は12平米以上、大型犬の場合は15平米以上を確保すること b) 寝床とフリースペースを分ける場合は、猫及び小型犬、中型犬の場合寝床を6平米、大型犬の場合寝床を9平米とすること c) 最低限の広さは、6平米とすること d) 猫には上下運動ができる設備を用意すること 3.犬は毎日の運動時間を確保すること a) 一日2回以上、トータル1時間以上の散歩を行うこと b) 最低限、1日1回、30分以上の散歩を行うこと 4.適切な健康管理が行える環境を用意すること a) 日光が入ること b) 日光を遮るシェードがあること c) 小屋だけでなく、外でも雨を防ぐことが出来る屋根があること d) 暑さを防ぐエアコン、扇風機、ミストを用意すること e) 寒さを防ぐエアコン、毛布を用意すること f) 風を防ぐ g) 近年の台風や暴風雨での浸水を防ぐため小屋は水が侵入しない高さ、構造とすること h) 陽の光の入らない部屋での飼育は行わないこと i) 少なくとも一日2回、犬の様子を確認すること 5.給餌給水は a) 少なくとも一日2回の給餌を行うこと b) 水は常時飲める状態であるようにすること c) 少なくとも1日2回水が入っているか、水が汚れていないか確認すること d) 水受けは常に清潔に保たれていること動物取扱業者名簿の公表動物取扱業者名簿を、県ホームページ上で公表することを求め、来年度からWEBサイトで公表することとなった。まだWEBサイト上で公表していない自治体が多いが、法律で公表すべしとなっているものであり、誰もが照会できるようWEBサイトで公表するべきだ。譲渡される動物の不妊去勢の徹底について神奈川県では、譲渡後不妊去勢手術が行われたかどうかを把握するための連絡表を回収している。この回収率を年々上げる努力をしてきているが100%回収できていないため、更なる徹底を求めた。 また、昨年度終わりから、県が開催する譲渡会(月一)で対象となる子犬・子猫は100%不妊去勢手術をしてから譲渡するようになった。また、ボランティア団体を通して譲渡する場合においても、ボランティア団体から求めがあれば、手術をすることになっているが、この利用率は大変低い。不妊去勢手術は、やると言いながらやならない人も多く、実際神奈川県では連絡表を100%回収できてこなかった。不妊去勢手術は、災害時や逸走時などの緊急時を踏まえると、それが不幸な動物を増やさないための絶対必要な予防策だ。神奈川県では手術を行ってからの譲渡を増やすことを求めて行きたい。さらに手術を行政が行ってから譲渡することを他県でも導入していくべきだ。譲渡後の動物の把握について譲渡後の動物の近況の報告を義務化してほしいと要望した。神奈川県ではこれまで、前々年度、前年度に犬や猫を譲渡した方から、譲渡した犬や猫の写真、近況報告等を送付するように依頼をしているとのことであるが、その回収率は下記の通り。 平成24年度譲渡の犬 72.5% 猫 72.2% 動物を大切に飼育する人だけではなく。報告提出を再度依頼したにもかかわらず、回収されなかった動物の安否が危惧される。 この私たちの要望に対し、これまで2度提出依頼をしていたが、追加で電話での近況確認を行うこととなった。 報告を義務としてほしいという点については、上記電話確認を行ってみてからの検討となった。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article身体的な拘束とともに、退屈の虐待を受けている妊娠豚ストールの母豚の気持ちを体感しよう。 Next ArticleGood News! ヘアカラーのダリヤ、化粧品の動物実験をやめる 2015/03/30