5月5日子どもの日に、動物虐待を誘発するオモチャについて「企業の作る責任」を問う記事を公開しました。記事では、有名玩具店で売られるものやガチャガチャと呼ばれるカプセルトイなど、身近なオモチャの中には、子どもが遊ぶことで動物を傷つける恐れのあるものや、動物への暴力を肯定するもの、あるいは動物の生態を間違って理解しかねないものがあることを指摘しました。さらに連絡がとれた企業とは、それらの製品の問題点を、子どもの教育と動物との共生という、二つの側面からお話し合いをしました。ただし、それらはオモチャとして制作販売されているものなので、ある程度の安全性は担保されていることと、子どもにとても人気の商品が含まれるため、ただやみくもに販売中止、制作中止を求めることはせず、なぜそのような商品が市場に出回ってしまったか、子どもの心をゆがめ、動物と共生する社会の実現を阻む恐れのある商品について、企業としてどのようなフォローができるか確認をしました。連絡をとった数社のうち、『罠』というトラバサミを模したオモチャを制作した㈱ブシロード(本社:東京都中野区)から、話し合いの末「早急に販売用ホームページに使用上の注意書きを記載する。今後は製品自体への注意書き添付を検討する」という回答をいただきました。該当ホームページは即日更新され、オモチャの商品説明欄に「※実際に生物を捕獲する意図で作られた商品ではございません。そのような使用方法も絶対におやめください」という記述が加わったことを確認しました。前回の記事でも記載していますが、同社はトラバサミの規制については知らずにオモチャを制作していました。そのため当初は「動物を捕獲する意図で制作したオモチャではない」との反論も受けました。しかし、このトラバサミは古いもので、日本ではほとんど使用されなくなったものの、海外ではいまだに、この残酷な罠をつかって、毛皮になる動物が痛ましく捕獲されていることをお話しすると、担当者がしばし絶句する場面もありました。その後、このような注意書きを付す流れになりました。わたしたちアニマルライツセンターと支援者が、何年もかけて毛皮反対運動を展開し、現実的に毛皮輸入量を縮小させたことも説明し、だからこそこのようなオモチャを看過できない立場であることも、ご理解いただけたようです。オモチャにしても食品にしても、より良い未来に向かって何かを創造する企業には「作る責任」が伴います。ただ売れるから、楽しいから、美味しいから、なんでも作って販売してよいはずはありません。動物の心や体を傷つけることを、少なくとも未来ある子どもが楽しむべきではないのです。今回はその意味で、同社は市民の声を聞き入れて、方向を修正することが素早く、子どもから若者まで絶大な人気を誇る企業として、誠実な対応を示してくださいました。今すぐできる最良のご判断に感謝いたします。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article酪農で働いて感じたこと-「愛情」なんて言葉は言えない Next Article卵も代替の時代へ キユーピーも植物性卵。 2021/06/09