ベジタリアニズム選択におけるモラル訴求の効果

モラルに訴えることで、炭素排出量の少ない食生活へと人々を動かすことは可能だろうか? 本研究では、米国の回答者1520人を対象として強制選択を用いたコンジョイント・サーベイ実験を実施し、2種類のメニューを6つの次元(カーボ…

環境に優しい食習慣は、欧州におけるジェンダー平等と持続可能性の相互強化を反映する

本稿では、環境に配慮した食習慣がEUの女性・男性の間でどのように実践されているかを明らかにするため、ジェンダーの平等と環境の持続可能性の相互関係を検討する。シュワルツの価値理論によればジェンダー平等は社会環境における知的…

菜食を支持する社会的アイデンティティの形成:ヴィーガン料理ワークショップが子供に与える影響

プラントベースの食生活を選択することは、気候変動を緩和するうえで有益であるが、ほとんどの人は肉を食べ続けている。社会的アイデンティティは食事の選択に影響を与える。この研究では、子ども向けのヴィーガン料理ワークショップを通…

気候変動に対する食肉・酪農産業の責任

気候変動に対する責任が人間活動にあるという考え方は、特に化石燃料の生産をはじめとする企業活動にまで広く及んでいる。畜産に起因する温室効果ガス排出は、人為による温室効果ガス全体の排出量のうちの14.5%と推定されているにも…

オンライン・フードデリバリーで持続可能な選択を促進する選択アーキテクチャ

食料システムからの温室効果ガス排出は世界全体の約3分の1を占めるため、人類の活動の中でもこの領域において緩和を進めることは研究と政策にとって極めて重要な目標である。本研究では4,008人の参加者を対象として誘因両立性の制…

オンラインショッピングにおける行動介入でプラントベースの食品選択を動機づける

食生活の選択は気候変動に影響を及ぼしているが、プラントベース食品の消費推進はこれを緩和するのに役立つ。これまでの研究によれば、人々が購入を決める環境を適切に整えることで、持続可能な消費に向けた行動変容を達成できる可能性が…

食生活の変化による健康と気候変動のコベネフィット*

私たちが口にする食べ物は、私たち自身の健康と、私たちが皆で共有している環境に大きな影響を及ぼしている。最近の研究では、食事に占める動物性食品の割合を減らすことができれば、健康と環境の両面において有益であることが強調されて…

食品は健康と環境にさまざまな影響を及ぼす

食の選択は、人類の健康と環境の双方に悪影響を及ぼす形で世界的に変化しつつある。ここでは、15種類の食品について、それぞれを1日に1食多く摂取することが健康と環境へどのように影響しているか、成人の健康に関するアウトカム5項…

栄養・健康・環境・コストの多基準分析から見た代替肉・代替乳製品のメリット

肉や乳製品の摂取量を減らすことは、食糧システムが環境に及ぼしている大きな影響―気候変動、土地利用の変化に伴う生物多様性の損失、淡水の利用など―を緩和するために必要な戦略であると認識されている。肉や牛乳を代替する製品を消費…

動物性食品による世界の温室効果ガス排出量は、植物性食品の2倍に相当する

農業と土地利用は、温室効果ガスの主要な排出源であるが、これまでに行われてきたガス排出量についての推計は、農業に関わる全体を広く集計したものか、あるいは関連する様々なサブセクター(農地・牧草地、畜産、製品の輸送・加工、肥料…

プラントベース食と高齢者における心血管疾患:統合的文献レビュー

心血管疾患は世界全体での死亡原因の第1位であり、とりわけ高齢者の健康には大きな影響を及ぼしている。プラントベース食は、心血管疾患のリスクを軽減するための食事戦略として注目されており、植物由来の食品を摂取し、動物由来の食品…

肉と比べたプラントベース代替肉の機械的・感覚的特徴

肉食を減らすことは、身体の健康と地球の健康につながっているが、私たちはプラントベース食への切り替えに消極的である。その大きな原因は、プラントベース代替肉の食感にある。食品科学者たちは食肉の特性を調べるために二重圧縮試験を…

サプリメントで大丈夫? ヴィーガンにおけるビタミンB12の栄養状態

背景・目的: プラントベースの食事では心血管疾患のリスクが減少するが、その一方で、特にビタミンB12をはじめとする特定の微量栄養素に欠乏をきたすリスクは増加する。客観的な栄養評価なしにサプリメント(栄養補助食品)の内服を…

ベジタリアン食と脳卒中の発症リスク:台湾におけるコホート調査

目的: ベジタリアンの食生活が脳卒中の発症率に対してどのように影響するかを2つの前向きコホート研究で検証し、食事からのビタミンB12摂取との関連について探索する。 方法: 慈済(Tzu Chi)健康調査(コホート1)およ…

プラントベースの食生活と泌尿器の健康

プラントベースの食生活は、健康面や環境面でさまざまな利点があることから人気が高まりつつあり、泌尿器系の健康に有益であることを示唆する研究結果もある。 泌尿器に関する腫瘍学研究のほとんどは前立腺がんに焦点を当てており、臨床…

肉と代替肉を比べて機械的特性を模倣する

肉のテクスチャー(食感)を模倣することは、代替肉の開発において最も重要な属性の一つである。出来上がった製品の食感は、タンパク質源と加工方法の両者によって影響される。肉と代替肉の食感の違いを定量化するための機械試験の方法と…

プラントベースの食生活に移行する意欲、その決定要因と社会経済的特徴

プラントベースの食生活は健康と環境に有益であるが、ほとんどの人は雑食である。本研究の目的は、雑食の回答者において、よりプラントベースの食生活に移行するうえでの決定要因(医師・科学者・政治家による推奨、安価であること、入手…

卵とコレステロール、心血管疾患などによる死亡率との関係:米国における大規模コホート研究

背景: 卵とコレステロールの摂取が心血管系の健康や長寿にとって有害かどうかについては盛んに議論されているが、大規模なコホート研究に基づくデータは乏しい。本研究の目的は、卵およびコレステロールの摂取と、米国における死亡率(…

卵の摂取は、心血管疾患の発症および死亡率と関連があるか?

問題: 食事中のコレステロールや卵の摂取は、心血管疾患の発症および全死亡率と関連があるか? 結果: 米国に行われた前向きコホート研究6件から集計した成人29, 615人のデータ(追跡期間の中央値=17.5年)において、食…

赤身肉の摂取と心血管疾患・糖尿病のリスク

目的: これまでの観察研究では、赤身肉の摂取が心血管疾患や糖尿病と関連しているかどうかについて一貫した結果は得られていない。また、赤身肉の消費量は性別や環境によっても異なるが、これらの疾患との関連もまた性別や環境によって…