日本国内の家禽の屠殺において、世界標準となっている事前意識喪失(スタニング)が行われていないこと、および中にはアフタースタナーと呼ぶ動けないようにするための事後の電気ショックまでおこなわれていることについて、世界的な屠殺に特化した動物福祉団体 Humane Slaughter Association(HAS:人道的屠殺協会)の見解をいただきました。HASのコメントHSA(人道的屠殺協会)の立場は、すべての動物を放血の前に効果的に気絶させるべきである、というものです。これにより苦痛の可能性を防ぎます。気絶処理なしで家禽を屠殺することは、不必要な痛み、恐怖、苦痛を鳥に与えることになります。首の切断は痛みを伴います。この切開は、痛みを感知する受容器(侵害受容器)が存在する領域に深刻な組織損傷を引き起こし、それが活性化されることで痛みが生じます。首の切断による出血によって最終的に意識を失うことになりますが、それは即時ではありません。それまでの間、鳥は痛み、恐怖、苦痛のため非常に劣悪な福祉状態に置かれます。また、意識がある状態で鳥に対して身体を不動化させるための電流を流すことは、さらなる痛みを引き起こす可能性があるため避けるべきです。さらに、家禽を意識がある状態で拘束具(シャックル)に吊るすべきではありません。逆さに吊るすことは痛みと恐怖を引き起こします。鳥には横隔膜がないため、逆さにされることで内臓が心臓や肺を圧迫し、不快感を与えたり呼吸を妨げたりする可能性があります。拘束具は鳥の脚を圧迫し、痛みを引き起こします。制御大気気絶処理(CAS:Controlled Atmosphere Stunning)法は、より人道的な家禽の屠殺手法になり得ます。輸送用クレートの中で鳥を屠殺できるシステムであれば、意識がある状態での拘束や逆さ吊りに関連する福祉への悪影響を排除できます。意識喪失を誘導する際の不快感を最小限に抑えるために、できる限り嫌悪感の少ないガスや低気圧システムを使用することが重要です。CASシステムはヨーロッパで商業的に広く使用されています。HSAは、現在スタンを行っていない事業者に対して、できる限り早急に人道的なCASシステムへの切り替えを強く求めています。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article鶏の屠殺に関する規制:各国比較 No Newer Articles 2025/04/25