2017年に千葉県館山市が管理運営する城山公園内のサルがあまりにもひどい状況に有るという通報が数件アニマルライツセンターに届きました。状況を把握したところ、2頭のサルが別々の小さな粗末な檻で飼育されていることがわかりました。初めて見るほどその檻は小さく、何も与えられていませんでした。2017年6月に館山市に連絡を取り、視察を行ったところ、孔雀園の中にニホンザル2頭に加え、キバタンが1羽、クジャクバトが1羽、孔雀が46羽おり、またすでに動物をこれ以上増やさないことが決まっているため、現在最後の看取り状態であることもわかりました。動物を見世物にするという前時代的な娯楽を終わらせることが決まっていることは正しい決断であることは間違いがありません。しかし、残された動物の福祉の改善に取り組む必要があると判断しました。動物たちにその動物の尊厳を取り戻させ、よりよい最後を迎えさせることは、動物たちの人生を奪い、人間のために利用してきた館山市の義務です。私たちはこのときから改善の具体的な提案を行ってきましたが、限界を迎えました。特にサルのランちゃんに残された時間は少なく、一刻も早い改善を求めています。多くの方に動物たちのあまりに質素であまりに悲しい状況を知っていただき、改善のための意見を館山市に届けていただきたく、お願いいたします。続報:改善しました!!! 更に改善しました!動物たちの状況サルのランちゃんメス 1993年生。檻の大きさは奥行き約1~1.5m、幅約2m、高さ約2mm、高さ約20cmの高床式のもので、寝床となりうる三角形の木の板が1枚、丸太が1本、ただそれだけ。掃除は小さな高床式檻であるため檻の下をほうきで掃くことで済ませており、檻の中に入ることは一切ありません。ランちゃんは隠れることは一切できず、手を伸ばせば檻にすぐ届いてしまいます。その折も小さすぎるため、ときに子供に悪戯をされることもある状態だといいます。 サルのジョーちゃんメス 2001年生 ランちゃんの娘。檻は4m×1.5mほどで斜面になっています。床はコンクリート、タイヤが吊るしてあり、寝床となりうる板があります。掃除のときは檻に隣接した小屋の一角に箱があり、そこにおびき寄せていれ、箱の扉を締め、檻の中に人間がはいって掃除を行います。2頭の檻は離れており、遠くに見える程度という位置にあります。 キバタンのじゅんちゃん約20歳。数年前に別の場所にいたクジャクバトがイタチに襲われたため、現在のような小さな檻の中に、更に小さなケージを入れた状態で飼育されています。夜はケージを取り出し、小屋に入れる運用が行われています。しかし、ケージが狭くなってからしゃべることが格段に少なくなったといいます。突くものもなく、飛ぶスペースもなく、じゅんちゃんはケージをかじりながら移動することだけを繰り返しています。 クジャクバト40羽ほどいたクジャクバトで、孔雀舎の隣のスペースに入れられていましたが、イタチに襲われ全滅、現在の1羽が残っています。このクジャクバトは一般の人が立ち入れない場所にある小屋で飼育されています。飛ぶことはできるスペースがあり、隠れることはできませんが棚があります。しかし突くことができるものはなく、また重要な止まり木がありません。 改善提案の内容と、改善されたこと元は上野動物園から購入してきたというニホンザル。ニホンザルは母系の群れで暮らしており、群れに属さないメスは群れに加わることが難しく、同居させた時点で攻撃される、または死に至る可能性があります。引取先を当たりましたがやはり難しく、そのためこの施設の改善の提案を行ってきました。 孔雀舎の隣のスペースを利用した檻を作ることなども簡易的な設計図ではありますが提案してきましたし、エンリッチメントの方法も提供してきました。徐々に2頭を一緒にすることは最もエンリッチメント条効果があるため、これを実現するための檻も提案しました。しかし、館山市が見積った予算は高く、予算が下りずに実現は遠のきました。 寄付で送られてきた毛布が入れられたことがありましたが、汚れてしまうということを理由にすぐに取り除かれました。 その他、声掛けを気にかけてするようになったこと、直接手で食事を与えるなどを行っているとのことです。あまりにも小さすぎる改善に、失望を隠せません。館山市城山公園の動物たちの写真はこちらからキバタンについては、当初引取先を探してほしいとのことであったため、鳥の保護団体である認定NPO法人TSUBASAに相談し、引取りを快諾していただきました。キバタンについてのやり取りをTSUBASAさんにおまかせしておりましたが、館山市は途中で譲渡を拒否、大きなケージの設計をTSUBASAに依頼したまま、改善がなされないままきています。止まり木が金属製のものから木製に変わった点のみが改善された点です。求めること動物の尊厳をすべて奪うような小さく粗末な檻とケージ。大工仕事ができる人員は公園内にいらっしゃいます。創意工夫を凝らせば太い木製の板をつかい、現状の檻と組み合わせるなどすれば、安価に頑丈な檻を孔雀舎の隣のスペース(ここ自体が囲われているので二重檻になる)に作ることはできるはずです。少なくとも、ランちゃんの檻はすでに傾いてすらおり、早急に変更されるべきです。行動エンリッチメントは声をかけることで済まされるようなものではありません。採食に時間を費やすことができたり、新しい匂いや感触などの刺激があったり、毎日変わるおもちゃが与えられたり、飽きるのに時間がかかる土や敷料があったりしなくてはなりません。これらは今すぐにも始められることです。とくに孤独な動物たちにとってこれは大変重要なものです。またこれらの動物たちを定期的に獣医師に診せるべきです。また、キバタンは今後長ければ50年生きる可能性もあります。その間にサルも、クジャクも、クジャクバトも、そしていま世話をしているスタッフもみんな居なくなることでしょう。早急に手放すべきです。動物愛護法には、「その動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない」と義務付けられていますが、現在その義務は果たされておらず、数十年間と長い時間、彼らは不適切な飼育状態の中で、すべてを奪われ続けています。(基本原則) 第二条 2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。そして、館山市付近に行かれた際には、サルとキバタンの様子を確認し、動画を撮影してアニマルライツセンターに提供してください。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article動物愛護法改正すべきポイント:国会議員に意見を届けよう Next Article緊急!愛護法改正に畜産動物を含めて!党や地元の議員にハガキを出そう 2019/01/24