日本を代表する動物保護団体である認定NPO法人アニマルライツセンターは8月、他の食用動物よりも犠牲数の多い養殖エビについて啓発する運動を開始した。特に、ほとんどの養殖場で繁殖用の雌エビの片目が切除されているという事実を消費者に伝える。日本で売られる9割以上のエビが輸入であり、その数は毎年約60憶尾にのぼる。その内8割はインド・ベトナム・インドネシアなどのアジア諸国から来ており、それらはほぼ全てが養殖のものだ。それらの養殖場では一般的に、成熟する前の若い雌エビの片目が麻酔なしで、ハサミで切り取られたり、かみそりで眼を切り開かれてから指で中身を絞り出されたりしている。この恐ろしい行為の理由や映像はキャンペーンサイトに掲載されている: https://arcj.org/shrimp (この記事の出典もキャンペーンサイトを参照)アニマルライツセンターが実施した意識調査によると、日本人の4人に3人はエビは苦痛を感じることができないと思っていることがわかっている。しかし、甲殻類が痛みを感じることは科学的に証明されており、例えばオーストラリアではロブスターの下半身を生きたまま切断していた会社が有罪判決を受けた。同意識調査によると、このような情報を知った後には、半数以上の人が「眼を切除する養殖場からのエビを避けたい」、「水産養殖に関する認証ラベルに、エビの眼を切除しない養殖場からであるという条件を認証基準に入れてほしいと思う」と答えた。眼を切除する養殖場からのエビを避けるには、実質的にエビの消費を減らすしかない。 アニマルウェルフェアが考慮されている認証ラベルも、眼の切除を禁止しているものはない。一方、EUのオーガニック認証基準では10年以上前から禁止されている。中南米最大級の養殖エビ生産者であるSeaJoy社は2016年から飼育環境を整えることで眼を切除しないで繁殖を行っている。世界最大のエビ生産者であるCP Foods社も去年、バイオテクノロジー技術を用いることで眼の切除を行わないことを発表している。このキャンペーンは、日本各地でのポスター、オンライン広告、路上活動などで養殖エビの現状を啓発し、養殖エビの消費を減らすことを促す。来年1月には再び意識調査を行い、日本人の認知度や意見の変化を測る予定だ。1月までのキャンペーン活動は国際動物保護団体 Compassion in World Farming International (CIWFI) からの支援をえて行われる。CIWFIはEUで畜産動物のケージ飼育を廃止するイニシアティブ「End the Cage Age」を先導し、成功をもたらした団体だ。意識調査の結果【調査主体】認定NPO法人アニマルライツセンター 【調査期間】2021/7/29~2021/8/5 【有効回答数】2884(内2783人は7月中) 【調査方法】インターネット調査(一般調査会社のネットモニターを利用) 【対象者条件】350万人以上のネットモニターうち、全国の15才以上男女を対象認定NPO法人アニマルライツセンターとはアニマルライツセンターは、動物たちの現状を明らかにし、アニマルウェルフェア向上とアニマルライツの普及を行う日本の動物保護団体。主に、卵や肉などの食べ物として扱われる動物、毛皮やアンゴラなど衣類素材として扱われる動物を守るための活動や、日本全国のアニマルライツの行動ネットワークづくり、エシカル消費の推進を行う。2005年から開始した毛皮反対キャンペーンでは、10年間で日本の毛皮消費量を80%減少させてきた。連絡先:認定NPO法人アニマルライツセンター 調査担当 高橋有希03-3770-0720 https://arcj.org東京都渋谷区宇田川町12-3ニュー渋谷コーポラス1009クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleアニマルライツチャンネル vol19[ヴィーガンと大腸!] Next Article「café light blue 」と「cafe Stay Happy」がケージフリー宣言 2021/08/04