動物の愛護及び管理に関する法律が今国会で改正される見通しとなり、国会の内外で多くの議論が聞かれるようになりました。しかし残念ながら、共に暮す存在である家庭動物とくらべ、実験動物、産業動物、展示動物をはじめとする他の動物たちについては、議論が不足している状況にあります。集会では、家庭動物に関して行われてきた検討の経緯を紹介すると共に、実験動物、産業動物、展示動物に関して各オピニオンリーダーをお招きし、法改正の必要性をご説明いただき、また主催者からの改正内容の具体的な提案を行いました。
100名を超える市民で満員になった集会当日は、与野党から23名、代理出席を入れると44名と多くの国会議員の皆様にご出席いただき、関心の高さを実感しました。
ご出席いただいた議員の皆様、市民の皆様に心より感謝申しあげます。
出席議員:(あいうえお順)
青山大人議員(希)、石崎徹議員(自)、糸数慶子議員(無)、
レポートと資料
ご出席いただいた議員にご挨拶をいただいた後、家庭動物(これまでの議論)と、実験動物、産業動物、展示動物についてそれぞれのオピニオンリーダーにご説明いただき、実験動物、産業動物、展示動物についての私たちの改正に向けた要望、案をご説明しました。
家庭動物
公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 理事長 杉本彩様
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長年動物のための活動を続けてこられ、
実験動物
日本動物実験代替法学会会長、東京大学大学院工学系研究科教授、酒井康行先生
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日本動物実験代替法学会会長である酒井康行先生は、かつての局部的な作用を見る動物実験代替法から、体全体、長期にわたって予測できるものに発展してきていること、AIやビックデータを活用したプロジェクトも進んでいることを説明し、動物実験代替法学会として動物実験代替法の推進の強化(3R の義務化)を訴えました。また、動物を守りたいという社会的要請と科学のトレンドを一つにすることが代替法を進める鍵になり、そのため、動物福祉団体との強調も求められていると話しました。
NPO法人動物実験の廃止を求める会 事務局長 和崎聖子
動物実験の内容に踏み込むのではなく、動物実験施設の登録制と、動物実験代替法の3Rsの義務化を求めています。詳細は資料をご確認ください。
産業動物
東北大学名誉教授、帝京科学大学アニマルサイエンス学科教授 佐藤衆介先生
日本の畜産動物福祉の第一人者である佐藤衆介先生からは、犬や猫と同様に、牛、豚、
認定NPO法人アニマルライツセンター 代表理事 岡田千尋
現在の畜産業者の多くが、動物愛護法を認識しておらず暴力的行為が一般的になっている実態を紹介し、動物取扱業にふくめ、産業動物に関する条項を設けること、国際基準を守り、苦痛を与えない殺処分方法を規定すること、及びすでに産業との関わりのある”家畜保健衛生所””食肉衛生検査所””畜産に関わる地方行政部局”を連携機関に含めることを求めています。詳細は資料をご確認ください。
展示動物
動物ジャーナリスト、映画監督佐藤榮記氏
動画:https://youtu.be/
27年間テレビディレクターとして活躍され、
PEACE 命の搾取ではなく尊厳を 代表 東さち子
第一種動物取扱業の規制強化、特定動物の規制強化と個人飼養の禁止、譲渡販売時の責務・繁殖制限義務化、犬猫等販売業の規制を展示等に拡大、及び、実効性を上げ機能する法律に変えることを求めています。
また、全体に関わることとして、罰則の強化と虐待の定義の明確化を求めています。詳細は資料をご確認ください。
また、実験動物技術者 末田輝子氏から、動物実験の3Rの推進のためには獣医師の責任について明記すべきである、実験動物取扱業を自治体等行政機関に登録させる必要性があるというメッセージを、消費者法の専門家である日本女子大学家政学部 教授 細川 幸一先生から、年間10億頭近く利用される産業動物が同法の対象であることを明確にするとともに、福祉向上に資する具体的内容を盛り込むようにというメッセージを、日本動物園水族館協会の講師も務め日本の動物園の改善に取り組むWild Welfare ジョージーナ・アレン氏から、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、甲殻類を含む飼育下の野生動物の福祉向上のための法規制が必要であるというメッセージをいただきました。
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ご来場くださいました国会議員のみなさま、市民の皆様、誠にありがとうございました。
動物たちにとって少しでも救いのある法律に変わることを心から願います。また、引き続き私たちは尽力いたします。
あと2ヶ月、さらにお力をおかしくださいますようお願いいたします。