2024年3月4日、アニマルライツセンターは山梨県中央市の養豚場を訪れました。犬の多頭飼育崩壊が起こり、犬猫保護団体がレスキューに入っていたその場所が、廃業間近の養豚場だったためです。そこには9頭の200キロを超える豚が取り残されており「2月に屠殺する」と、養豚場オーナーは話をしていたといいます。しかし、私達が駆けつけたとき、豚たちはまだ屠殺場には送られておらず、生きていました。ただし、2月中に1頭が死亡し、8頭になっていました。保健所の話によるとこの豚たちは4年ほどここにいるようです。彼らを畜産・屠殺という恐ろしい運命から救う手立てはないのか。8頭全てでなくても、弱って立ち上がれなくなっている1頭なら譲ってくれるかもしれない・・・。私達は養豚場オーナーと交渉を始めました。最初は「豚は無理だよ」と言っていたものの、輸送の手間と費用を考えたオーナーはこう結論を出しました。「8頭全部もっていくなら、考えてもいい」。当初はどこか引き取ってくれる人やサンクチュアリはないのかをあたりましたが、豚はだれもが二の足を踏みます。同時に自分たち自身で保護する覚悟をし、豚たちが暮らせる土地(譲渡交渉をするのに必要な最低限のスタート地点)を確保し、3月14日、再び養豚場を訪問し、8頭の豚たちの所有権の譲渡契約と、譲渡までの期間の飼育管理契約を結びました。その後、見込んでいた無料の土地に建物を建てることが難しいと判明、急遽豚を3箇所に分けて引き取る計画に変更しました。飼育場所が分かれているとなにか病気が発生したとしてもリスク分散も可能になります。1箇所は新たに購入した建物と土地に、1箇所はARC代表所有の土地(倉庫付き)に、1箇所はたまたま今後サンクチュアリをやることを目標に土地を探していた愛媛のマイさんのもとに引き取られることになりました。行き先が決まってからは柵や家の整備に突入。プロボノのボランティアさんの協力を得て、材料費のみで建築を進めました。また、材料自体も寄付していただいたり、価格交渉をプロの方がしてくれたりと、抑え込みました。とはいえ、豚という扱いの難しい大動物が来るため。頑丈さ、広さ、快適性など確保をし、現在も改善を重ねています。そして、4月に豚熱のワクチンを打ち、5月19~20日に移動の日を迎えました。移動の過程で、2頭がなくなりました。その経緯はこちらに記載しています。緊急報告:救われた豚たちとその大きな代償また、その輸送の検証記事はこちらです。輸送の検証 -豚の輸送改善と次に続く誰かのために-そら:繊細でプライドをもつ女の子風太:パートナーを愛する心優しい男の子8頭の豚を畜産の鎖から解放するまでの経緯サンクチュアリトップに戻るクリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleサンクチュアリからの啓発素材、ダウンロードして使ってください Next Article風太:パートナーを愛する心優しい男の子 2024/10/08