神戸市の須磨海浜水族園の古びた遊園地の片隅にある狭いプールで、ハンドウイルカのガルは2019年6月から一人ぼっちで隔離されています。 他のイルカとの合流は未定のままです。 このガルは現在妊娠中のイルカの赤ちゃんの父親にあたります。(2019年12月現在) オスなので繁殖計画がないときはメスたちから隔離されてしまい、ひとりぼっちのプールでふれあいや餌やりに利用されています。けたたましい音楽の響く遊園地の一角にイルカがぽつんといる、そんな異様な光景の中、ガルは訴えるように鳴きつづけたり、垂直に水面から出ては倒れ込むような行動を繰り替えしていました。千葉県銚子市の犬吠埼マリンパークにいるハニー、彼女は閉館した水族館で孤独なイルカですが、この須磨海浜水族園は現在も経営中です。 孤独なイルカは経営中の水族館にもいるのです。 繁殖や子育てに邪魔であるからと、オスのイルカが隔離されることは他の水族館でもあることです。逆に、母子のイルカだけがバックヤードに隔離される場合もあります。イルカは群れ=家族で暮らす動物です。子育ては群れのメスたちで行われ、若いメスが子守をしたり、歳をとったイルカが守ったりと、家族的な結びつきの中でイルカの子どもは成長し、社会性を学びます。 オスは基本的には子育てに参加することはないため、他の群れに移動することもあります。イルカを単独で隔離する水族館の人工繁殖、それはイルカ本来の生態を無視したものです。 客寄せの都合で行われる飼育や繁殖のひずみは、当のイルカたちに孤独や病死といった大きな負担を強います。 神戸市は「水族館は地元と密着した教育機関であるべきだ。しかしそれでは資金が集まらないので、イルカショーで経営する。」と言っています。ガルもハニーも野生のイルカでした。海を仲間と自由に泳いでいたのです。 彼らを生け捕りにしてイルカとしての生き方を奪い、孤独な狭いプールに閉じ込めているのは人間であり、水族館ビジネスです。水族館はイルカやシャチの飼育を手放してください。 野生であるべき動物を人間の経済事情に巻き込まないでください。意見先・市長への手紙(久元喜造市長)http://www.city.kobe.lg.jp/a84159/shise/shichoshitsu/letter/index.html・神戸市立須磨海浜水族園〒654-0049 兵庫県神戸市須磨区若宮町1丁目3−5TEL:(078)731-7301 FAX:(078)733-6333須磨水族園の老朽化によるリニューアルのため、経営がグランビスタ(鴨川シーワールド)に移ります。そのため、意見の電話をしても「経営が他に移るから」と責任逃れをします。しかし、現状を作ったのは須磨海浜水族園です。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article「食料・農業・農村基本計画」5年に一回。国にご意見を! Next Article懇親会:動物たちを守りたい仲間たちと過ごすヴィーガンの時間 2020/01/06