転げ落ちる馬 人々に押さえつけられる馬 見慣れない群衆に囲まれる馬 背中にはがっちりしがみつく騎手 ハミをぎゅうぎゅうと引っ張られる馬そもそも、馬は臆病で見慣れないものが前にあると進めなくなったりもします。そのような動物が派手な服装をした人々、見知らぬ興奮した男たちに囲まれ、人が乗っている状態で急坂を走らされ、目の前には壁がそびえ立つ状況。 これらの行為を神事だとして楽しみ大声を上げる群衆が取り囲んでいます。馬が転げ落ちても、人が怪我をしても、群衆は歓声を上げるのは異常なことのように思います。 ※多度大社への公開質問状、多度大社からの回答、三重県からの回答を下部に掲載しています。壁の角度を改善しても事故は起きているこの動画は三重県にある多度大社の上げ馬神事です。 こことは別で、壁の角度を改善した猪名部神社(三重県)でも上げ馬神事が行われています。壁の角度を改善してくれていますが、それでも2015年には馬が転倒して瞳孔が開いていることが確認され殺処分されたそうです。 最後の壁を取り払うことが必要です。馬を苦しめていいと教える神事これらの馬を酷使し利用する神事を目撃した子どもたちは、「占いや人の楽しみのために馬が怪我をしたり転倒したり、馬を叩いたりストレスを与えてもよいのだ」ということを刷り込まれていきます。このような動物が苦しむことが前提となった行事を子どもたちに見せるべきではありません。ひどい扱いが当たり前なのか男たちの馬の扱いも全く馬の扱いを理解していないひどいものです。通り過ぎる際に馬の尻を叩くことは当たり前、馬のハミをむやみやたらに引っ張る、前足を掴んで引っ張るなどが行われています。これらは動物愛護法違反であると考えられます。 これまで県や県警も指導を重ねてきたといいますが、もっと強い指導があってしかるべきです。 動物愛護法の目的にも基本原則にも反しており、さらには罰則にも当たると考えられます。根本解決を望む騎手が未成年でありさらにはその騎手も1ヶ月の練習しかなされていないそうです。実際騎手はただ必死に乗っている、又はしがみついているに過ぎないように見えます。適切な扱いと乗馬をきちんと訓練された人々(騎手だけでなく周囲のサポーターも)以外には騎乗及び周囲で行うサポートをしてはならないように改善すべきです。 前述したように壁の傾斜を改善するだけではなく最後の壁をなくす必要があります。 さらに動物のストレスや恐怖を考えると、近すぎる群衆を遠ざけることも必要です。これらの改善策とともに、動物を使わない方法で吉凶を占うという根本的な解決を望みます。多度大社に公開質問状を送付多度大社御中上げ馬神事での馬の利用についての公開質問状アニマルライツセンターから多度大社に対し公開質問状を送付しました。また県に対しても指導を求める要望書を提出しました。私たちアニマルライツセンターは人と動物が穏やかに共存できる社会を目指し1987年から活動を続けるNPO法人です。かつてよりその馬への暴力的取り扱いや酷使が問題となっております貴多度大社での馬の利用の廃止をお願いいたしたく、また利用される間はその取り扱いの改善をお願いいたしたくご連絡いたしました。もともと馬は臆病で見慣れないものが前にあると進めなくなったりもします。そのような動物が派手な服装をした人々、興奮した男たちに囲まれ、たった1ヶ月しか練習していないという人が乗っている状態で急坂を走らされ、目の前には壁がそびえ立つ状況は、動物福祉上不適切な状況です。これらの馬を酷使し利用する神事を目撃した子どもを含む市民は、「占いや人の楽しみのために馬が怪我をしたり転倒したり、ときには死亡させたり、馬を叩いたり、ストレスを与えたりしてもよいのだ」ということを印象づけています。このような動物が苦しむことが前提となった行事を人々に見せるべきではありません。ましてや、この行事をもって集客をするべきではありません。行事にあたって地元の人々が集うことは良いことですが、その一部に馬の苦しみが含まれていることを許容する社会、時代はすでに終りを迎えています。2017年の多度大社の行事中にも馬が転げ落ちたり、男性が馬の足を執拗に掴んだり、ハミを強く引っ張り痛みを与えたり、無用に馬の尻を叩いたり、騎手が首にしがみつくなどの不適切な状況が散見されました。また馬と群衆との距離も異常に近く、心理的な恐怖や抑圧を与える構成になっています。動物愛護及び管理に関する法律の範囲には神事や伝統も含まれており、伝統だから神事だからと動物への不適切な行為が許されるものではありません。事故が容易に予測でき、また人々の馬の不適切な取り扱いが散見される現在の状態は、法の精神に反するだけでなく、罰則にもあたる行為です。参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/files/n_07.pdf問題のある行為が多数あることは明らかであり、未だに適正化されていないことは大きな問題であると考えます。早急に以下の対策の実施を指導してください。周囲の群衆の位置を遠ざける最後の急坂(壁)をなくすハミを引っ張り続けない利用する馬を長期取り扱った人以外は近づけない馬への過度な装飾(尻尾を束ねるなど)を行わない問題のある行為を行った組を次年度以降出場停止にする2017年多度大社の上げ馬神事における私たちが把握できた明らかな問題行為下記写真の組は前足をつかみ放さず、無理やり引っ張りあげようとしていた下記写真の組はハミを多くの人が引っ張り続けた下記写真の組は走る馬の尻を叩き上げたまた、伝統とは時代に即した形に変えていくものであり、特に暴力が含まれる伝統は消えていくべき伝統です。馬の福祉の改善とともに、祭りの中の馬の利用の廃止を求めます。多度大社からの回答平成29年7月26日「NPOアニマルライツセンター」より来翰の文書について貴会より平成二十九年七月二十六日付質問状を受領いたしました。 多度大社において執り行われます御礼祭に、地元の御厨氏子の皆様がご奉納になられます上げ馬神事は、中世以降の伝統文化を継承して氏子崇敬者が守り伝えてまいりました稀有な神事であります。 貴会よりお申し出の由は御厨会議に確と申し伝えますので、微意お汲み取りいただけますようお願い申し上げます。ーー当会からの指摘については話し合いの場に伝えるとのことでその点はありがたいことと思いますが、せめてもの福祉の改善すらなされるか不明な状態です。 引き続きのお願いをしてまいります。三重県からの回答多度大社、猪名部神社での馬の扱いの廃止及び取り扱いの改善を求める要望書に対する回答について これまで三重県では、上げ馬の民族的な内容を維持することについて主催者に申し入れをするとともに、動物愛護管理の観点から、馬に対して不適切な取扱がないよう、上げ馬神事主催者側に対し指導をも行なってきました。今後も適正な取扱が地域で徹底されるよう、必要に応じて改善を求めてまいりますので、ご理解いただきますようお願い致します。 なお、頂いたご意見については神事関係者に伝えさせていただきます。ーー三重県ではこれまでも指導を行ってきたことは確かです。 猪名部神社などは坂の角度を修正するなど改善が行われてきています。 しかし、要望内容で説明しているとおり、問題のある状況は今でも数多く残っています。 根本的には神社側が動物への思いやりを持ち、動物へのさべつをやめない限りは、改善しないのだと思います。 引き続き、みなさまからも意見を届けてくださいますようお願い致します。動画提供:動物との共生を考える連絡会上げ馬祭り改善に長年取り組んでいます。下記サイトには過去の祭りでの事故の記録なども掲載されています。ご一読ください。 上げ馬神事/詳細-歴史と状況https://www.dokyoren.com/%E4%B8%8A%E3%81%92%E9%A6%AC%E7%A5%9E%E4%BA%8B/%E8%A9%B3%E7%B4%B0-%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%A8%E7%8A%B6%E6%B3%81/クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article食肉加工会社の株主総会会場前で、妊娠ストール廃止活動 Next Article動物愛護/動物の権利について 2017年東京都議会議員選挙アンケート 2017/07/01