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異常に暑くないですか・・・。6月が終わったところなのにもう暑さに疲れてしまった人も多いはず。熱中症での救急搬送数も多いですが、人間は水も飲めるし涼しい場所に移動もでき、クーラーに当たることもでき、倒れれば救急車が来てくれる・・・動物は? 畜産動物たちはただただ苦しみます。 5月頃から湿気と暑さにより鶏舎と豚舎の中にいる動物たちは苦しみはじめ、7月以降はずっと35度を超える日々。ウィンドレスがいいなんていうバカバカしい事を言う人もいますが、それは嘘。外の空気を取り込むエアフィルターがつまり、換気扇が動かないなんてことも多々ありますし、ましてや冷媒装置もものすごい量のホコリで詰まったままになります。 動物たちにとっての気候変動、暑さ、どうなっているのか、どうなるのかを知ってください。 立川流落語家立川平林さんに、コメンテーターとして参加していただきます(久しぶり~)!もちろん、堀越啓仁さんも。 https://youtube.com/live/02MiU-BXAms こちらのYoutubeのリンクから御覧ください。 日時: 2025年7月10日(木曜日) 20時30分〜22時過ぎ プログラム: [暑さが動物に与える苦しみ] アニマルライツニュース サンクチュアリ報告 鶏が来た!…
EUやノルウェーでの卵内雌雄鑑別の浸透が記録的に速いという状況の中、ではどの技術が、どの程度、進んでいるのかをまとめた。 すでに実用化されているもの 羊膜水での判別技術=Respeggt(旧Seleggt)、In OvoのElla® 孵化9日目に羊膜液を採取し、ホルモンやバイオマーカーを分析して性別を判定する方法。 導入事例: ドイツ、フランス、オランダなどで導入され、殺処分を行わない卵が「Respeggtマーク」として販売されている。 磁気共鳴イメージング(MRI)技術 =OrbemのGenus Focus AIを活用したMRIで卵の内部を非接触で撮影し、性別を判定する方法。 導入事例: ドイツを中心に一部の養鶏場で商業運用が始まっている。 ハイパースペクトルイメージング= Agri Advanced Technologies(AAT)のCHEGGY 卵に光を照射し、透過・反射した光のスペクトルを分析する方法。 導入事例: ドイツ、オーストリアなどで商業利用されている。ただし、羽色の異なる特定の品種に限定される。 実用化が近いもの 匂いを利用した技術(VOC分析) 卵から放出される揮発性有機化合物をセンサーで検知して性別を判定する方法。 進捗状況: 現在、いくつかの大学や企業がプロトタイプを開発中であり、商業化に向けた試験が進められている。 実用化見込み: 数年以内に導入される可能性がある その他、遺伝子マーカーを利用した技術、音響振動を利用した技術などがある。日本ではゲノム編集技術を利用した方法も補助が出されているが、採卵鶏のメス自体には影響がほぼ出ないと思われるが、その卵を生む種鶏(母鶏)への影響はわからない。そのため優先すべき技術ではないと言えるだろう。 雌雄鑑別の精度、速度比較 人間の手によるひよこの雌雄鑑別…
アニマルライツセンターでは一人でも多くの人に動物たちの現状を知ってもらうことが、動物たちの苦しみを減らし、なくしていくための最も効果のある手段のひとつだと考えています。国内に住む人々に現状を知ってもらうためのチラシ配布を、設立当初の34年前から継続しています。 今回、子供向けに分かりやすいチラシがほしい、という要望に応え、アニマルライツセンターのボランティアチームの協力により、子供を対象としたチラシを作成しました。保護者へのメッセージも記載し、大人も同時に知ってほしいという願いが込められています。 5月から他のチラシ同様、請求フォームからお手元にお届けすることが可能です。 お住まいの近くの、子供が集まるイベントや施設にて是非活用してください! チラシ請求フォームはこちらから ★チラシに掲載されている動画サイト「Animal Rights Center Kids」もぜひ一度ご覧ください。こちらもボランティアチームメンバーの協力により完成しました。…
2024年2月に、牛たちへの暴行や不適切飼育が動物愛護法に反するとして、茨城県畜産センターの職員8人とその雇用者である茨城県を告発していた件についてのご報告です。 2025年3月の水戸地方検察庁の「嫌疑不十分」との処分に対し、4月に水戸検察審査会に不服申し立てを行っていましたが、6 月9日、私たちの代理人に「不起訴は相当である」との議決の連絡がありました。 検察による不起訴処分の裁定を覆すに足りる証拠がなかったことが議決の理由とされていました。検察にも検察審査会にも、大動物である牛も動物愛護法において犬猫と同等であることが理解されなかったことは遺憾です。 私たちの活動にご協力くださった皆様には、力及ばず、非常に残念なご報告となってしまったことをお詫び申し上げます。 刑事事件としてはこれ以上できることはなく、告発自体は終了となりますが、私たちの最大の目的は、牛たちの飼育について県に見直しを迫ることでした。今回の告発が、畜産センターの問題点を明らかにし、現在、県が進めている改善につながったと考えております。 畜産センターと茨城県に対しては、働きかけをこれからも続けて参りますので、今後ともお力をお貸しくださいますよう、よろしくお願いいたします。 告発人 NPO法人動物実験の廃止を求める会 PEACE いのちの搾取ではなく尊厳を 認定NPO法人アニマルライツセンター 認定NPO法人動物愛護を考える茨城県民ネットワーク…
合理的で、しかも社会的にも良い技術というのは、社会に浸透するのも早い。採卵鶏のオスひよこを生まれたその日に殺すという不必要な苦しみは、世界中が取り組む社会課題だ。この解決策として導入がすすむ”卵内雌雄鑑別”技術の浸透が、EUでは急速に広がっている。 すでに2018年ルクセンブルク、2022年ドイツとオーストリア、2023年フランス、2026年イタリアで生後1日目の採卵鶏のオスひよこの殺処分が禁止となっている。また法的禁止はないもののノルウェーとスイスは卵内雌雄鑑別技術が導入済みだ。米国でも2024年12月に卵内雌雄鑑別されたひよこが孵化し、その卵はこの夏頃から店頭に並ぶ予定だ。 そのような中で、着々とオスひよこ殺処分無しの卵が増え続けている。Innovate Animal Agの調査によると、EUでの卵内雌雄鑑別の市場浸透率は26~30%であり、EUの3億9,300万羽の採卵鶏(商業利用のみ)のうち1億230万羽~1億1,790万羽が卵内技術によって性別判定されているとする。市場浸透率はこの1年で急速に伸びているそうで、その要因は卵内雌雄鑑別の制度が飛躍的に改善しているためだとしている。たった3年で26~30%に到達したという成長率は相当早い。ChatGPTほど早くないがiphoneやLEDやカラーテレビやインターネットよりよっぽど早いと報告では述べられている。すぐにこの技術が業界の主流になることは明白だろう。 ノルウェーでも、2023年に卵内性別判別を導入し、市場浸透率は現在20~25%に及んでいる。1~2年でこの割合に達するのは驚異的だ。卵内雌雄鑑別がアニマルウェルフェアの観点だけでなく、合理的であることを示しているように思う。 スイスでは国内の2つの主要な孵化場が導入済みであるという。 このような激動の中、日本はどうか。 EUで1億1千万羽がすでに生後1日目の殺処分なしだが、ちょうどその数は日本の1年間でのオスひよこの殺処分数と同じだ。残念ながらまだ卵内雌雄鑑別の導入は実現されていない。 技術が原因なのか?実はそうではない。すでに人間の手による雌雄鑑別の速さや精密度は、超えているのだ。人間の手による鑑別の精密度は95% 熟練した場合は98%になることもあるが疲労によりブレもあり、さらに長時間従事できないため、限界がある。しかし機械は精密度は同程度~やや上回る程度であり、さらに長時間従事が可能だ。人間の手でやる場合はオスひよこを殺すという不必要で残酷な虐待が発生し、さらにはこの雌雄鑑別技術を習得するための犠牲まである。 日本も、国をあげて、この卵内雌雄鑑別技術の導入を行うべきだろう。多少の補助金は出ていても、それだけでは足りない。さらなる後押しが必要だ。そして、日本国内の技術がいまだ人間の手を超えられない程度しかなくて遅れているのであれば、海外からの技術誘致などのサポートが求められる。…
2024年度「企業のエシカル通信簿」結果が発表されている。この中で、アニマルライツセンターはアニマルウェルフェアの分野の調査を担当しており、以下の通りの調査結果となった。 概要 トイレタリー製品企業に対するアニマルウェルフェア(以下動物福祉)の関心事項は、「動物実験」を避ける方針を持っているかどうか、動物実験を行う場合の制限や倫理員会や規則の内容「動物由来成分」を削減する方針を持っているかどうか、使用する場合はその動物の飼育や屠殺についてア動物福祉の基準を策定しているかどうかである。 動物実験については、“化粧品(薬用含む)”についての方針はあるが、それ以外については方針がない傾向であった。また動物由来成分についてはトレーサビリティも行われておらず、把握も改善も進んでいない傾向であった。 <今年度調査結果の特徴> P&G、ユニリーバは取扱製品分野が少なく、該当しない設問があり満点が低いために高評価になった 獲得点数が高いのはロート、花王だった 残念ながらクラシエ、サラヤはほぼ方針がない状態だった 1.動物実験 動物実験についての調査結果は、2回の紙ベースでのやり取りで動物実験の方針について正確に把握することは不可能であること、及び各社ポリシーの書き方があやふやであり、公開情報からも正確に把握できないということを前提のうえで、見る必要がある。昔から日本企業はあやふやな書きぶりで化粧品の動物実験などについて消費者に回答してきており、これ自体を企業は辞める必要がある。 動物実験を避ける方針として求められる対応は、[化粧品=廃止][化粧品以外の医薬部外品/食品、農薬、化学物質=できる限りの動物実験廃止し分野ごと廃止を決定しその範囲を広げること][医薬品=できる限りの動物実験削減、行う場合の規定の策定と公開]と、分野ごとに異なる。化粧品分野については8社に方針があったが、他の分野についてはどの企業もあやふやであった。 また、動物実験を行う際に必要な取り組み・開示事項は以下のものであり、ロート、花王での規定があった。 動物実験倫理委員会に利害関係のない第三者を含めている 使用した動物数を公開している 動物実験は全てAAALACまたは一般財団法人日本医薬情報センターの外部認証を得た施設でのみ行う、または委託している 動物実験のエンドポイントを定め、研究途中であっても切り上げることを規定している 動物に携わる従業員に対し、動物福祉についてのトレーニングを行っていることを確認している 代替法が存在する動物実験は行ってはならないとする方針がある 動物実験を減らす目標を立て公表している 2.動物性由来成分 動物由来成分として、豚由来成分 卵由来成分 乳由来成分 鶏肉由来成分 ヒアルロン酸等の成鶏由来成分などがあるが、これらについては、トレーサビリティの努力をしているP&Gと、植物性の石鹸素地を使用することを明言するサラヤの取り組みがあった。残念ながら、他の企業の取り組みはなかった。動物由来成分の動物福祉の確保は、利用するものとして、動物の扱い、殺し方に責任があることを認識してほしい。 今後への期待 化粧品だけでなく、他分野での動物実験削減も当然必要なことである。命を利用するものの最低限の責任として、動物実験の削減、そして飼育や殺し方についての動物福祉の確保の取り組みを始めてほしい。…
人と同じ動物であるからこそ、アニマルウェルフェアを高めて倫理的責任を果たすとともに、食べる量自体を減らしていくことが求められる。でもそれだけではなく、畜産物の大量生産大量消費は気候変動を悪化させ、森林破壊を促進させ、薬剤耐性菌を蔓延させ、人獣共通感染症によるパンデミックを引き起こすことにつながる。 世界は今、畜産物の消費を減らすための政策を打ち出している。結構たくさんある。(※網羅はされていません) オランダ 家畜削減計画と農場買収制度 デンマーク 農業部門への炭素税導入予定(牛・羊・豚の飼育への課税) ドイツ 植物性食の推進を含むタンパク質戦略 スウェーデン 肉の消費を減らす学校給食ガイドライン フランス 公共調達における肉削減方針 カナダ 持続可能な食品戦略に肉削減を含む ニュージーランド 温室効果ガス削減政策(HeWakaEkeNoa)に畜産含む イギリス 国家食品戦略で肉税を提言(実施は未定) ベルギー ワロン地域気候計画に家畜削減を含む フィンランド 国家気候計画に持続可能な食事の推進を明記 ノルウェー 気候計画に低炭素食の導入を明記 アイルランド 排出量取引制度に農業部門を含める検討 スペイン サステナブル食に関する国家戦略を策定中 ポルトガル 肉の摂取量削減を含む国家栄養計画…
アニマルウェルフェアは新しい価値観ではなく日本人が本来持っていた「命あるものを大切にいただいて、動物と共存していく日本固有の文化と伝統価値観」でもある。このことを、参政党北野裕子議員が2025年4月25日の環境委員会で訴えた。また、アニマルウェルフェアに配慮することが「生産者、消費者の意識を向上させ、動物に関連する様々な産業に付加価値を生み、生み出し、国際競争力の強化、経済成長」につながるものであり、海外からの知見も積極的に取り入れる必要がある述べた。 北野議員は冒頭、日本の動物観がどのようなものだと考えているか、浅尾慶一郎環境大臣に問うた。北野議員が述べた通り、日本の本来の動物観は、あらゆる動物への配慮があるものであり、アニマルウェルフェアは言葉こそ新しいが考え方は突飛なものではない。 残念ながら浅尾大臣は「日本人の動物観は多様であって然るべき」としか答えず、大臣個人の見解をと迫られても、曖昧な回答に終止した。 後半の質問では、アニマルウェルフェアが食の安全、人々の健康に寄与することを訴え、また日本のケージフリーや薬剤耐性菌や食中毒菌の対策の遅れを指摘した。だが農林水産省は飼育方法と動物の免疫との関係を示す科学的知見は知らないと答えた。 北野議員は ケージフリーの鶏の健康との因果関係についてはまだ研究段階ということですが日の光を浴びて本能に従い、自由に動き回って育った鶏とそうでない鳥は健康的に差異が生まれるということは、消費者の感覚として当然持っているものであると思います。 と述べている。全くそのとおりだ。アニマルウェルフェアは基本的に動物の健康に寄与する飼育だ。運動ができるようになり、骨も強くなり、筋肉もつく。科学的根拠はごまんとある。それを農林水産省は知らないと述べているのだからずいぶん悪意のある回答だと感じる。 農林水産省は「 なお飼養方式と免疫力の関係につきまして、明確に科学的根拠を明確的に示す科学的根拠については承知しておらない」と述べているため、細かく言えば免疫力との関係について知らないと述べているわけだが、たとえばケージフリーが免疫力に寄与することも科学的な根拠がある。 この論文では免疫力をあげることに寄与する腸内細菌叢がケージフリー飼育で腸内細菌叢の多様性が高くなり免疫に寄与することが示されている。この論文でも同様の結果が示されている。農林水産省は飼養管理指針を策定し、多様な飼育方法が良いと断言するほどの権限を持っている。にも関わらず、まずこれらの知見を持っていなかったことには驚きだ。さらには、委員会での質問は事前に官僚たちに通知されており、いまや論文なんて誰でもすぐに検索して読むことができるものだし、しかも国会図書館はすぐそばにある。たとえ前日に通知されたのだとしても知らないなんて開き直っていいものではない。日本中の生産者に飼養管理指針を示して指導する立場であり、そのトップである農林水産省が知らないと答えるのはあまりに怠慢ではないか。100歩譲っても、知らないなら何も言わなければいいのだ。あえて国会議員に対して誤解を招く回答するのは、いかがなものだろう。 農林水産省が悪意ある誘導をしたのちにも、北野議員は惑わされずケージフリーの優位性を伝えてくれたことに心から感謝したい。 2025年4月25日答弁全文(アニマルライツセンターでの書き起こしのため誤りがある可能性があります) 次に、北野裕子さん。 北野議員:今回もご質問の機会をいただきましてありがとうございます。 参政党の北野裕子でございます。 前回に引き続き動物に関連した質問をさせていただきたいと思います。前回クマの問題について質問いたしまして、野生動物と人間の関わり方について考える機会が多くなっているのではないかと思います。 近年国際的にも動物福祉、いわゆるアニマルウェルフェアの増進が審議され、その導入推進が日本にも求められています。 まず、日本は既に動物愛護のための法律として昭和48年に議員立法で制定された動物愛護管理法があります。 これは動物の愛護や管理について定め、人の動物、人と動物の共生する社会を実現を図ることを目的としておりますそしてこの環境省の動物愛護管理指針には、我が国の風土や社会の実情日本人の 動物観の特質や海外との違いを踏まえ、人間との人間と動物の関係について丁寧な議論を積み重ねることが重要であると書かれています。 ここでお尋ねいたします。 大臣は、日本人の動物観というのはどのようなものとしてお考えでしょうか? 人間と動物の共生する社会を実現する前提として必要な情報ですのでお聞かせいただければと思います。 浅尾環境大臣:ご指摘の指針ではですね人と動物の共生する社会の実現に向けて議論を積み重ねる際に、我が国の風土や社会の事情日本人の動物観の特質や海外との違いを踏まえることの重要性に言及をしております。 日本人の動物観については、指針において、アニマルウェルフェアに対する考え方も含め、いつの時代であっても多様であり続けるものであり、また多様であってしかるべきものであるとしております。 また、指針策定の際の審議会においては、あくまでも一つ一つの考え方であり、これらをもって日本人の 動物観とするものではないが、歴史的な観点などを踏まえたいくつかの動物館が参考資料として示されているものと承知をしております。 いずれにしても、動物愛護管理行政の推進に際してはですね、多様な考えに耳を傾け、丁寧な議論を積み、積み重ねながら進めていくことが必要と考えております。 北野議員:ありがとうございます。 動物愛護指針策定の過程であります審議会の中に大変興味深いものがありましたのでそちらをご紹介さしていただきたいと思います日本人の動物観の参考となる記述でございます。…
アニマルライツショートストーリー 私はK子。 結婚して20年、専業主婦。大学卒業後すぐに花嫁修行をしながらじっくり選んだ夫は会社員。勉強よりゲームが好きな子どもたちは、大学生と高校生。 家事は一通りきちんとこなす。料理は得意なほう。しかも食材には妥協せず、味にも栄養にも気を配る。 「家族のために一番いいものを選ぶ」 それが、私のプライドだった。高級スーパーは私の主戦場。 もちろん卵ひとつとっても、黄身が濃くて栄養価の高いブランド卵一択だ。 「いいものを選ぶのが、いい主婦」 そう信じて疑わなかった。 そんな私の“選ぶ目”が揺らいだのは、大学時代の友人・S美と、ひさしぶりにお茶をした日だった。 カフェの席に現れたS美は、昔と変わらない雰囲気だった。 コーヒーとケーキを注文した私に対し、彼女は飲み物だけを頼み、チョコケーキを断った。 「いまヴィーガンなの」と彼女は言った。 「動物を苦しめない生活を選んでるの」 学生の頃からちょっとまじめで、いつも“こうあるべき”を語っていたS美。 その理想が、今は“アニマルウェルフェア”というかたちで現実になっているのだから、彼女らしいと思う。 「K子は卵、どこで買ってる?」と彼女が聞いた。 私は何も疑わずに答えた。 「いつもの高級スーパーよ。栄養強化で、黄身が立つやつ」 するとS美は、静かにスマホを取り出して1枚の写真を見せてくれた。 それは、鉄の柵の中に押し込められ、身動きも取れずに並ぶニワトリたちの姿だった。 「これが“バタリーケージ”。日本で売られてる卵の、ほとんどがここから来てるの。 歩けない、羽も広げられない、土も踏めない。…そういう場所で、一生を終えるの」 私は、何も言えなかった。 高い卵を選んでいる、それで“いいことをしている”と思っていた自分の価値観が、 静かに、でも確実に崩れていくのを感じた。 K子、揺れる 「……うちの卵も、もしかして、ああいうところで?」 思わず口にした私に、S美はやさしくうなずいた。 「そうかもしれない。でも、K子に全部やめてって言うつもりはないの。ただ、“知ったうえで選ぶ”ことが大事なんだと思う。…
動物たちの未来を作るために知識やスキルを付けていこう!という動物の未来BASE、ちょっとお久しぶり!6月29日(日)に開催します。終了後、渋谷駅でのアクションも企画しています。 【私達のミッションとは?】自分たちの活動がなぜ重要かを深く理解し、それを基盤として判断や行動に一貫性をもたらすことで、より高い目標に到達することができます。ミッションを再確認しましょう。ミッションを明確に認知することは、燃え尽き症候群への防止にもつながるとも言われ、動物のためだけでなく私達自身のためにもなる行程なのです。 動物のために【力を最大化する方法】工場畜産の課題は、他の課題よりも難解です。今なお、畜産物の消費量が増え続け、終わりが見えません。そしてその犠牲になるほとんどの動物が、暗くて苦しい工場畜産の中に詰め込まれています。 動物たちを救いたいという思いがどれほど強くても、解決が見えないという状況。しかも犬や猫の問題、人権の問題、環境の問題などよりも取り組む人や財力が比べ物にならないほど少ない。 だからこそ、私達は力を最大化する必要があります。その方法を学びます。 日程:2025年6月29日(日曜日) 13:00~ 畜産動物の課題と解決策:初心者向け講習(講師:アニマルライツセンター代表理事 岡田千尋) (アニマルライツセンターの畜産動物についての講演会をお聞きになったことがある方はこの13時30分からお越しいただいて問題ありません) 13:30~ セミナー&ディスカッション・グループワーク 【私達のミッションとは?】(講師:アニマルライツセンター代表理事 岡田千尋) 動物のために【力を最大化する方法】(講師:アニマルライツセンター シニアコンサルタント北穂さゆり) 15:30 クロージング 参加費:無料 会場:ISINセミナー・会議室(渋谷駅徒歩5分) 東京都渋谷区桜丘町29-33三信マンション501 地図はこちら ※マンション入り口でインターフォンを鳴らして頂く必要があります。 オンラインでの傍聴可能(ZOOM) ※※オンライン(ZOOM)はスタッフが手作業で行うため、うまく配信できない可能性があります。なにとぞご容赦ください。 受付終了 【渋谷駅前アクション】 16時からは渋谷駅前でのアクションもあります。ぜひご参加ください。 お申し込みはこちらから…
アニマルライツセンターは2016年から毎年一回、畜産動物の飼育実態がどれほど認知されているのか、一般調査会社を利用して調査を行っています。 質問項目は次の10項目です。 母豚の多くが、妊娠ストールという、方向転換できない狭い囲いの中に閉じこめられていることを知っていますか? 子豚の多くが、麻酔なしで去勢、歯・尾の切断をされていることを知っていますか? 卵用の鶏の多くが、バタリーケージという、狭い金網の中(一羽あたり22センチ×22センチほど)で飼育されていることを知っていますか? 卵用の鶏の多くが、麻酔なしでクチバシを切断されていることを知っていますか? 肉用の鶏(ブロイラー)が、早く成長するように品種改変されており、その結果、病気になりやすくなっていることを知っていますか? 乳牛の多くが、つながれた状態でほとんどの時間を過ごしていることを知っていますか? 牛の多くが、麻酔なしで去勢、角の切断をされていることを知っていますか? 「アニマルウェルフェア」、あるいは「動物福祉」という言葉を知っていますか? 平飼い卵、あるいは放牧卵が、スーパーなどで販売されていることを知っていますか? ヨーロッパで禁止されている飼育方法が、日本で行われていることを知っていますか? 【調査名】畜産動物(肉・卵・乳)に関するアンケート 【調査主体】NPO法人アニマルライツセンター 【調査期間】2025/3/17-3/24 【有効回答数】2,853 【調査設計】 手法:一般調査会社を利用したインターネット調査(ネットモニター) 【調査地域】全国 2024年度は認知度の向上が見全体的にられなかった一年です。唯一、平飼いたまごがスーパーなどで売られているかについての認知度のみが向上した。 平飼卵、あるいは放牧卵が、スーパーなどで販売されていることを知っていますか?という問いだ。これは実際にスーパーなどの小売店での販売が拡大し店頭で見かけるようになっている人が増えていることや、2024年は大手コンビニエンスストアでも販売されるところが増えていることによると考えられます。 アニマルウェルフェアの課題は何一つ解決していません。農林水産省が目指すアニマルウェルフェアはレベルが低く、鶏肉のアニマルウェルフェアは大幅に低下しているような状態です。より多くの市民啓発が必要であり、日本の意識が改善していないということが今回の調査からは浮き彫りになりました。…
ひよこ鑑定士の学校である初生雛鑑別養成所での虐待的扱いについて、この養成所を運営する畜産技術協会に改善を促してます。 最初の要望と回答 再要望についての回答をいただきました。この中で、絶食状態を改善し給餌の可能性と方法についての検討が始まること、コンテナに入れられるヒナの密度の適正化の徹底、月曜日に搬入されたヒナを金曜日まで利用することの廃止が示されました。また、結論は明確ではないものの、安楽殺の方法についての改善の検討が始まっていることもわかりました。一歩一歩ではありますが、改善に向かっています。 回答 1:温度管理について 湿度の改善をしてくださるとのこと、ありがとうございます。また、空調も行っているとのことでした。しかし、元講習生によると、初生雛たちは「口を何回も開けて苦しそうに息が荒くなっていた」と述べており、これは高温によるパンティングである可能性も考えられます。温度管理、密度、雛を入れたコンテナの管理状態を再度見直していただきたくお願いいたします。 (回答) 鑑別の講習の際には、コンデナ内のヒナが過密にならないようにして実習を行うように、講師が講習生に指導を行うとともに、過密な状況を確認した場合には、講師がヒナを移動させる等の対応を取っています。引き続き、ヒナの管理については、アニマルウェルフェアに配慮した対応を取るように、講師及び講習生への指導を行います。 2:雛の保管時の配慮 「風通しと換気のための空気動線の確保等に配慮」とのご回答でしたが、コンテナに入れ高く積み上げられ一列に置かれている状態が配慮されている状態でしょうか。右の写真は火曜午前の鑑別講習に使用した後の雛ですが、積み上げられている状態で、最下部の雛、中段の雛、最上部の雛では環境が異なることがわかります。また温度も最下部と最上部では違いがあると思われます。 さらに、密度について「120羽から80羽」に改善しているとのことですが、80羽が適正とは思えません。右の写真は火曜日の午前の鑑別講習に使用した後の雛ですが、これを適正というのは無理があります。(実際の羽数不明ですが写真からは50羽程度に見えます)搬入後、実習後、両方の飼養状態をご確認いただき、再度改善をご検討くださいますようお願いします。 (回答) 2頁目のコンテナの写真は、待機用の箱ではなく、講習生がヒナを手元に置いて川実習する時の写真と思われますが、鑑別の実習に際しては、講師から講習生にヒナが過密にならないようにコンテナに入れて実習を行うように指導しています。 御指摘のようにこの写真のヒナの密度は極めて高くなっているため、適正な調整が行われていない状態となっています。このような状態での実習が行われることがないよう、講師及び講習生への指導の徹底を行います。 換気については、温度等を見ながら、特に夏期には換気のために扇風機を使い、風も初生雛に直接当たらないよう配慮し間接的に風を流すなどの必要な対応をしています。このため、1頁の写真は、少し涼しい頃の写真と考えられ、コンテナ内の温度こも配慮して重ねて置いている状態と思います。いずれにせよ、引き続きヒナの管理については、アニマルウェルフェアに配慮した対応が取られるよう指導を行います。 3:給餌について 給水については方法をご検討くださるとのこと、ありがとうございます。一方、給餌については「初生雛の体内に残る卵黄中の栄養が消費されるまでに孵化後2〜3日を要するため、給餌の必要性は低い」とのご見解ですが、アニマルウェルフェア上は孵化後すぐに給餌することが望ましいことがわかっています。孵化直後の給餌は免疫系の発達を促進し、ストレス耐性を向上させ、逆に、給餌の遅れは、ストレスホルモンの増加と感染症への感受性を高め、死亡リスクを増加させる可能性があります。孵化直後の餌供給が腸の発達を促進し、ストレスホルモンの分泌を抑制し、雛の長期的な健康に寄与する可能性があると指摘されています。孵化直後の給餌の遅れは、ストレスホルモンの増加や体重の減少を引き起こし、雛の生存率を低下させる可能性があります。特に、48時間以上の遅れは致命的な影響を及ぼし、鶏のウェルフェアを著しく損なうと結論付けています。このような背景から、ブロイラー養鶏ではオンファームハッチングと呼ばれる農場内孵化が増えてきていますし、私たちも生産者にはこの技術の導入の検討を要望をしているところです。給水はもちろんのこと、給餌についてもご検討くださいますようお願いいたします。 (回答) 給水方法につきましては、検討を開始したところです。併せて、給餌の可能性やその方法等についての検討を行います。 4:殺処分のタイミング 「毎週1回の安楽死処置ではなく、卵黄の栄養に果りがあるため、実習が終わったら直ぐに安楽死処置を講じています」とご回答頂きましたが、再度、事実確認と改善をお願いします。元講習生によると、月曜に搬入された初生雛は、実習に使用された後すぐには安楽殺されず、水曜日にまとめて安楽殺をされていたと証言しています。もしかしたら貴団体のマニュアルではそのように規定しているのかもしれませんが、規定や規則がどうであれ、現場では守られないことは多々あります。効率化や、怠慢な勤務といったことは、よくあることですが、動物の命を扱う上ではあってはならないことです。実習終了後すぐに、別部屋にて、安楽殺を確実に行ってください。 (回答) 現在、ヒナの安楽死処置は、月曜日に導入したとナについては、水曜の実習後、14時頃、木曜日に導入した導入したヒナは、金曜日の実習後、16時頃に安楽死処置を講じています。 ご指摘も踏まえ、来年度の講習においては、月曜日に導入したヒナを実習に使用するのは火曜日までとして、水曜日の実習は中止する予定です。 5:安楽殺方法について 改善を図ってくださるとのこと、ありがとうございます。ただ、ご回答いただいた改善内容では不十分であり、再度要望させていただきます。 告発した講習生は、「青いバケツの中に袋を入れ、その中に初生ひなを次々と入れて講師に渡します。講師がそのバケツの中に二酸化炭素ガスを注入し、袋の口をしばる」という方法であったといいます。つまり、多数の雛が折り重なった状態の袋にガスを注入しており、これでは早期の致死は不可能です。さらに、複数の動物の殺処分において、人の手で都度、二酸化炭素ガスを注入するというあいまいな方法は、雛の配置場所と属人的な要素と動物の個体の状態により結果にブレが生じることが容易に予測され、結果があまりに不安定であり、取るべき方法ではありません。そもそも「家畜の農場内における安楽死に関する技術的な指針」にも書かれている通り、「脳幹反射のない(瞳孔の拡大や呼吸の欠如等)確実な死に至るまで、家畜を常に観察する」ことは必須ですが、袋に複数羽入れられた状態で死亡確認を確実に行うことは困難です。つまり、複数羽を袋に入れて人間が二酸化炭素ガスを注入する方法は、安楽に動物を殺処分することも、指針に沿うことも難しいと考えられます。一般社団法人日本種鶏孵卵協会では昨年3月に「ふ化場におけるアニマルウェルフェア推進ガイドライン~雛の安楽殺に関する推奨手法について~」を作成しています。より多くの羽数を殺処分する孵化場での改善が進む中、頸椎脱臼や二酸化炭素充填による方法では不十分です。最低限、アニマルウェルフェアに対応するためには、アニマルウェルフェアの評価が済んでいる海外のガス安楽殺装置を導入することが必要と考えます。サイズ的にはキャビネット式ガス安楽殺装置などが考えられます。自家製の安楽殺装置もあるようですが、これはアニマルウェルフェア上の懸念が残っており、避けるべきです。さらに、畜産業ではなく学ぶ場であることから、畜産業より安楽な殺処分方法が求められます。二酸化炭素のみの殺処分は適切な装置を使えば”まし”ではあれど、苦痛を伴います。養成所では、イソフルランのような吸入麻酔薬を使った安楽殺を採用してくださるよう、切にお願いします。これについては、国内では野生動物の安楽殺で実用化(イソフルラン混合の吸入麻酔で意識喪失後、CO2暴露による致死)しています。ある大学医学部の実験動物(ひよこ)の殺処分方法としてはイソフルランと空気混合気体を、装置を用いて吸引後、より確実に致死させるため頸動脈切断による脱血させる方法での安楽殺が規定されています。 (回答) 安楽死処置の方法については、一般社団法人日本種鶏孵卵協会が作成された『ふ化場におけるアニマルウェルフェア推進ガイドライン〜雛の安楽殺に関する推奨手法について〜』を参考に、改善方法の検討を進めているところです。 なお、麻酔薬の使用については、獣医師が常駐することができないこと、また管理方法の難しさ等から、弊会での対応は困難と考えています。…
アニマルライツセンターは現在5名の理事、3名のアドバイザー、2名の監事、そして実際の活動を担う5名のスタッフがいます。 また、全国の会員、全国のボランティア、全員がアニマルライツセンターを動かしています。 代表理事 岡田千尋 ほんの少し人以外の動物たちに譲歩するだけで、社会は大きく変わります。動物たちを搾取しない社会の実現は、それほど困難なものではないはずです。 人以外の動物に対する残酷な行為は、実は、私達人間自身をも、追い込んでいきます。今の動物の立場が、いつ、人間に置き換わってもおかしくはありません。動物への扱いを考えるということは、人間自身への扱いを考えるということにつながります。 一度、今の私達人間の生活を、動物の側から見なおしてみてください。これまでとは違った世界が見えてきます。 そして、この問題を、自分のこととして捉え、一緒に解決にむけて進み始めて下さい。動物のため、環境のため、ひいては人間のために、一歩を踏み出す勇気を・・・。 理事 小池美穂子 美味しいヴィーガン料理が食べたい!肉魚卵乳製品不使用でもボリュームがあって栄養バランスの良いビーガン料理を知ってもらいたい! 子供の頃から動物が好きなのに、何の疑問も持たず動物を食べていました。2005年、偶然インターネットで屠殺の映像を見て衝撃を受けヴィーガンになる事を決心しました。 卵不使用のオムライス、乳製品不使用のグラタン、牛肉不使用のハヤシライス、などなど子供からお年寄りまで大好きなレシピをビーガンの料理に開発研究しています。近所のスーパーで手に入る材料で安く簡単に早く出来る事をモットーにしています。 理事 渡辺由香 獣医師 子供の頃、庭にやって来ていた仲良しの猫達が次々に病死したことに無力を感じ獣医になりました。 しかし、臨床現場で治療がかえって動物達を苦しめてしまっていないか?経済システムの標的にされていないか?と疑問を感じることも多く、余計なことはしないで穏やかに自宅で看取れるケアをモットーに自然療法にたどり着きました。又、在学中経験した致死実験、屠場見学、実験動物や畜産動物の非人間的な扱いに心を痛めるも仕方ないことと感情のフタをして生きていたところ、アニマルライツの活動を知り、フタをしている場合でないと目が覚めて、食生活、暮らしを見直し、微力ながら活動に参加させて頂いています。 理事 安野舞子 横浜国立大学准教授 この地球上に生きているのは人間だけではないのに、なぜこうも身勝手に我が物顔で、他のいのちに思いを馳せることができない人が多いのだろう––このような違和感を抱きながら私自身、一人の人間として生きています。 そのような私も、かつては「人のため」とは思っても、人間以外のいのちにまで思いを馳せることができていなかったかもしれません。でもそれは「事実」を知らなかったから。 知らなければ、変える行動を起こすこともできません。動物たちが置かれている現状を知った私は、変える行動を起こすことを決めました。まずは一人でも多くの方に「事実」を知っていただけるように、私は教育の現場から訴え続けたいと思っています。 理事 今泉邦江 北海道室蘭市出身、結婚をして転勤族になり現在は岩手県に住んでいます。 2019年にアニマルライツ岩手を立ち上げ、2022年にARCの地方アクショングループ、アニマルライツセンター岩手をスタートしました。 地方から日本全国すみずみまで、ライツとウェルフェアを浸透させたい! 小さな子供からお年寄りまで、動物の福祉と権利を当たり前に考え行動する社会にしたいと思います。…
あなたは知っていましたか?卵や牛乳が“安くなりすぎないように”乳牛や採卵鶏が殺され続けています。 乳牛 牛乳が余って、価格が下がりつづける昨今。 生産量を減らすために【乳牛を殺した農家に15万円の補助金】が出されます。 政府は、この補助金で4万頭の乳牛を殺すことを目標にしています。 採卵鶏 今年は鳥インフルエンザで価格が高騰した卵。しかし、卵はいつも作りすぎていて、税金を投入して調整しないと価格が下がります。 2020年度には価格が下がりすぎたために、産卵中の1千425万羽もの鶏を殺処分。生産者と屠殺業者に補助金16億3千万円が支払われました。 これらの生産量調整による殺処分は、 税金によって行われています。 生産調整による殺処分を奨励しているのは行政です。 牛乳や卵が過剰供給となり価格が安くなったとき、 乳牛や採卵鶏を屠殺するように補助金を出しているのです。 動物を屠殺すれば補助金をもらえる農場、食鳥処理場。 その補助金は我々の血税、税金です。 何の罪もない動物を殺すために、 今日も税金が使われています。 悪影響はいたるところに… O1|倫理観の破壊 牛乳や卵がなくても人間は死んだりしないのに、安定供給のために動物を殺すことをいとわないのは、命の軽視そのもの。 命は大切だと言いながら、生産調整のために税金を使って鶏や牛を殺す。私達の社会が大切にしなくてはならない道徳観や倫理観を根本から破壊する行為だ。 O2|税金の不適切な利用 乳牛と採卵鶏は機械ではなく動物なのに、その特性を無視して、価格も量も常にコントロールしようという無茶な政策に巨額の税金を使っている。2020年の採卵鶏の殺処分には16億3千万円が出され、今年の乳牛の殺処分には50億円が出される。 O3|経済活動の阻害 牛乳・卵の生産者はもはや税金による補助がなければ成り立たない商売。政府が無理やり安定供給を実現してきたことによって、食品関連企業は過信して牛乳と卵がないと成り立たないビジネスモデルを作ってきた。牛乳や卵は元々不安定。これに合わせた変革が迫られている。 SDGsやサステナビリティと逆行する補助金制度はいますぐに廃止する必要があります。 殺処分の恐怖に怯えている声なき畜産動物たちの代わりに声をあげられるのはあなたしかいません。 ひとつでも多くの命を救うためにどうか力を貸してください。 今すぐ署名する…
700,028羽 逆さ吊りにされ、仲間が殺されるさまを見て、悲鳴を聞きながら、首を少しだけ切られ、数分間耐えたのち、62度の熱湯に頭から入れられ、全身やけどを負い、死ぬ。全身の皮膚が真っ赤に染まり苦しみが死体にもあらわれる。そしてすべて廃棄される。 そんな拷問にあって殺された鶏の数が、2023年度中、70万28羽に及んだ。 前年の2022年から、83,164羽も増えた。 その前の年2021年から、141,847羽も増えた。 年々この数が悪化している。日本の食鳥処理場に、アニマルウェルフェアはない。他社への苦しみに配慮するという感覚はない。失敗率が高く、レベルが低く改善の意思がない。世界中がアニマルウェルフェアを向上させるべく法律を変えたり、事業者も努力している中、これはないだろう・・・・ 失敗する原因は、以下のとおりだ。 事前の意識喪失をしていない 事前の意識喪失をしていた場合も電気スタニングだと失敗することがある 失血中、監視する者が失敗していた場合にその鳥をラインから外し処置をすることがWOAHの国際基準でも定められているが、これを行っていない 意識が低い 鹿児島県の成鶏(卵用の鶏)に至っては、おおよそ100羽に1羽、失敗して茹で殺している。鹿児島県は前年も0.820%であり最下位だが、更に0.9471%まで悪化した。一体何をどうしたらここまで精度を下げ、それに対して平気でいられるのか疑問だ。 ワースト2位の愛知県も、前年が0.340%で0.4960%に大幅に悪化している。ワースト3位の徳島県は前年0.595%で2023年が0.4902%なので微妙に減少したが依然割合が高く、改善したというよりはたまたまと言えるだろう。愛知県と徳島県は200羽に1羽熱湯に生きたまま入れ殺したということだ。愛知県はエシカルあいち宣言をしていたり、徳島県もエシカル条例を作ったりする県だが、県民の行動は伴わないということだ。 拷問の挙げ句に殺されていく苦しむ動物を多数見続けることは通常、心理的な苦しみを人間の方も伴う。経営者が意識を高めている場合、改善に向かうものだが、下記に上げた県の食鳥処理場はそうではないのだろう。 成鶏(卵用の鶏)の食鳥処理場のワーストランキング ※羽数ではなく割合のワーストランキング 上からワースト順位 熱湯で殺した割合 熱湯で殺された数 全屠殺数 食傷処理場 鹿児島県 0.9471%(悪化) 106,552羽 11,250,697羽 株式会社エヌチキン マルイ食品株式会社野田第2工場 有限会社二幸食鳥松元工場 愛知県 0.4960%(悪化)…
About | サンクチュアリの住人 | 工場畜産の中で苦められた豚、鶏たちの安全地帯。 毎年殺される10億の畜産動物たちの未来を描くためのサンクチュアリ。 サンクチュアリの住人たち 鶏たち 現在の場所で、バタリーケージから救出された6羽のジュリア種の元採卵鶏を保護しました。もっとも搾取され最も多く卵を生んでしまう鶏です。5羽が亡くなり1羽が元気に過ごしています。その他に、どこからかやってきた尾長鶏のメスと、クックハウスから来た白色プリマスロックのオスがいます。 豚たち 2024年、廃業間近の養豚場に取り残されていた8頭の豚を救出しました。6頭をアニマルライツセンターで引取り、2頭を里親に出しました。輸送により6頭のうちの1頭、2頭のうちの1頭が亡くなりました。5頭は初めての美しい世界を担当し始めています。 寄付のお願い 貴重な貴重なご寄付、本当に本当に、ありがとうございます。鶏と豚たちがここにいられるのは、皆様がいてくださるからです。 1回のご寄付 クレジットカードで寄付 1,000円3,000円5,000円10,000円20,000円30,000円50,000円100,000円 PAYPALで任意の金額を寄付 マンスリーサポート クレジットカードで毎月サポート 豚のためのマンスリーサポート500円豚のためのマンスリーサポート1000円豚のためのマンスリーサポート2000円豚のためのマンスリーサポート3000円豚のためのマンスリーサポート5000円豚のためのマンスリーサポート10000円豚のためのマンスリーサポート15000円豚のためのマンスリーサポート20000円豚のためのマンスリーサポート30000円豚のためのマンスリーサポート50000円 毎月自動引き落しです。引き落しを中止する場合はご自身でお手続されるか、お問い合せフォームからご連絡ください。 銀行振込・郵便振替で寄付 銀行か郵便局からご入金の場合、フォームから寄付者情報をご連絡ください。 こちらのフォームから寄付者情報をご連絡ください。 郵便振替 口座番号 00110-7-127583 加入者名 特定非営利活動法人 アニマルライツセンター…
前年度に国内のアニマルウェルフェアにとって効果的だった企業に贈るアニマルウェルフェアアワード。鶏賞、魚賞が決定しました。 アニマルウェルフェアアワードは畜産水産動物福祉の向上に取り組む認定NPO法人アニマルライツセンターが、前年度(2023年4~2024年3月末)までの間のアニマルウェルフェア向上に最もインパクトのあった企業を評価するものです。 https://www.hopeforanimals.org/animal-welfare-award/ 採卵鶏:鶏賞 味の素様 2016年に企業のエシカル通信簿を通して、畜産動物のアニマルウェルフェアの問題を把握してから間もなく、専門家を集めたラウンドテーブルを行い、調達ポリシーを策定し、畜産物のトレーサビリティを確認しその結果の公表を行いました。さらに取り組みを継続し、2023年、鶏卵の調達に関する考え方を公表し、同年中に平飼い卵のマヨネーズを販売開始しました。 アニマルウェルフェアを軽視せず着実に歩みを進める姿勢を高く評価しています。 白老たまごの里 マザーズ様 マザーズは、鳥インフルエンザの大流行を経て、飼育するすべての鶏を平飼い飼育に切り替えることを決定しました。もともと3棟あったうちの1棟は平飼いでしたが、他の2棟も平飼い(エイビアリー)になり、2024年、ついに約4万羽の鶏がケージから解放されます。鶏と人間との関係を見直し、いち早く、すべての鶏舎の切り替えることを決意したことを評価しました。 養殖魚:魚賞 マルハニチロ様 2023年度、マルハニチロは急速にアニマルウェルフェアへの取り組みを開始し、取組状況の公開を行いました。特に飼育密度を10%低下させる取り組みは、今後の水畜産のアニマルウェルフェアの取り組みに対する良い効果を発揮するものと考えられます。 すでに行っていた取り組みを含めて情報を公開し、社会的な企業価値を高めたことを評価しました。 ※今回肉用鶏、豚、牛に関する受賞はありませんでした。 ■アニマルウェルフェア、次は具体的な目標設定が求められる 多くの大手、中堅企業がアニマルウェルフェアの調達ポリシーを持ち、生産部門を持つ食肉企業はアニマルウェルフェアに配慮するための自社ガイドラインを持つようになりました。3年前では考えられない大きな変化が起きています。もちろん、変化はあれど、課題は解決していません。動物たちの飼育自体にその影響がまだまだ出てきていないのが現状です。次は動物にしっかり恩恵を及ぼすための目標の設定が求められています。2024年度こそは、そのような国際社会で認められる大きな一歩を踏み出す企業が出ることを期待しています。 最後に、アニマルウェルフェアを上げることを検討し、行動をしてくれたすべての企業に感謝します。 ありがとうございました。なお、受賞企業にはあらためてお礼をお伝えいたします。…
21日間で、栄養、動物、環境、レシピ、食材、化粧品、ファッション、いろんなヴィーガントピックスを知っていきながら、ヴィーガンにトライし、生活にヴィーガンを取り入れよう。 ヴィーガン21日登録してメールを受け取ってください。 ヴィーガン21に登録する…
日本には、ケージフリーで飼育される鶏の割合の公式なデータがない。つまり全体の数字はわかるがどんな飼育方法なのかを国は正確に把握していない。一方で、ヨーロッパ諸国や米国、韓国、オーストラリアやニュージーランドなどには公式なデータがちゃんとある。 つい先週の2023年10月11日には米国USDAが発表したデータによると2023年6月時点で38%の鶏がすでにケージに閉じ込められていない。果たして日本はどうなのか。政府は平飼いの鶏の割合ではなく、国際鶏卵委員会が発表する平飼いの農場の割合を使ってくる。これは全く正確ではなく、比較のしようがないし現状の分析にも使用しにくいデータである。なぜならケージ飼育の場合、20万羽、100万羽などの鶏が1つの農場に詰め込まれているが、ケージフリーの場合は1つの農場に多くても10万羽を超える程度、一般的には数千羽といったところだからだ。 現状を把握できないところからは、改善策を導き出すことは難しい。国はそもそもアニマルウェルフェア改善をしようと思っていないということの現れかもしれないが、わたしたち市民、消費者、企業は違うはずだ。アニマルウェルフェアを高めていくことは重要な社会課題である。 そこで、アニマルライツセンターでは2023年夏に、ケージフリーで飼育をしていると確認される養鶏場に対し、電話での聞き取り調査を行った。また一部WEBサイト上で公表されているデータを加え、日本でケージに閉じ込められていない採卵鶏(正確には産卵中の成鶏)の数を割り出した。 結果、国内のケージフリー飼育の鶏の割合は、【1.11%】※であることがわかった。 これまで、1%にも満たないと試算していたため、その認識からするとケージフリー飼育の割合は増加している。実際に1000羽以上飼育する養鶏場の場合は、羽数を増やす傾向にあり、万単位での増加をしている養鶏場もあった。また、こちらの養鶏場のようにケージ飼育から平飼い飼育に切り替えた養鶏場もあった。 この数字をどう捉えるべきか 1.11%という割合は、明らかに日本のアニマルウェルフェアの遅れを表している。世界では欧米、オーストラリアなどは飼育される半分以上の鶏がケージフリーに切り替わっている時代であり、アジアでも韓国は4.6%(公式データより)、インド22%、インドネシア12%だとされている。 日本国内のみに絞って評価をすれば、「1%もあるの?」と思っていたよりも多いと感じて驚く企業もある。平飼い卵の調達に苦労している企業としてはこの数字でも多いと感じるのかもしれない。 しかしこの1.11%はどう考えても世界最低レベルであり、日本はまさにアニマルウェルフェアのスタート地点にようやく立ったといったところだろう。 98.89%の鶏たちが極限状態で苦しんでいる。98.89%の鶏たちをすべて、ケージから解放しなくてはならない。世界と同様に。 ※電話による聞き取りアンケート、及びサイト等での公表データの累計 アンケートに協力いただけなかった平飼い養鶏場もあるためケージフリーの鶏の割合が多少増える可能性あり…
前年度に国内のアニマルウェルフェアにとって効果的だった企業に贈るアニマルウェルフェアアワード。鶏賞、豚賞、魚賞が決定しました。 アニマルウェルフェアアワードは畜産水産動物福祉の向上に取り組むNPO法人アニマルライツセンターが、前年度(2022年4~2023年3月末)までの間のアニマルウェルフェア向上に最もインパクトのあった企業を評価するものです。今年は魚賞をはじめて贈ることができたことをとても喜んでいます。 https://www.hopeforanimals.org/animal-welfare-award/ 採卵鶏:鶏賞 汐文社様 汐文社は2022年12月に児童書『いつか空の下で さくら小ヒカリ新聞』(堀 直子/作 あわい/絵)を出版しました。この本は採卵鶏のアニマルウェルフェアについて深く知ることができ、かつ心に響く作品でした。この本は現在全国各地の図書館などに配架されており、認知度が課題であるアニマルウェルフェアの解決策となりえます。 採卵鶏の隠された飼育実態を児童書の分野で初めて表現したこの作品を勇気を持って出版したことを評価しました。 三和食鶏様 三和食鶏は茨城県にある成鶏(採卵鶏)の食鳥処理場です。2019年にアニマルライツセンターとの話し合いの後から社員の意識向上のための教育と改善を始め、放血不良の割合を10分の1に、到着時の死亡鶏の割合を9分の1に減らしました。 経営者のアニマルウェルフェアへの積極性と社員に自ら考えさせるという意識向上の方式により、改善が日本でも可能だということを示し、実質的に鶏の苦しみを減少させた点を評価しました。 養殖魚:魚賞 ニッスイ様 ニッスイは事業のメインである魚の分野でアニマルウェルフェアの取り組みを公開した最初の企業です。養殖魚の96%において、事前のスタンニングを行い、またその改善の検討をしていることを公表しました。国内での養殖魚におけるアニマルウェルフェアが進まない中、重要な一歩です。 国内水産業におけるアニマルウェルフェアにいち早く取り組み、その内容を公表したことを評価しました。 豚:豚賞 コープ自然派様 コープ自然派は妊娠ストールフリーについて専用のチラシや記事、カタログなどで、度々組合員及び市民に向けて発信しています。実際に調達する豚肉の多くも妊娠ストールフリーであり、中規模生産者のフリーストール化をともに進めてきました。 自ら需要を作り出しながら生産者の良い取り組みを応援するという理想的なサイクルを作るという積極的な取り組みを評価しました。 ※今回肉用鶏に関する受賞はありませんでした。 ■アニマルウェルフェアは国内でも企業の重要アジェンダに 2022年度、私達は本当に多くの企業と対話をしました。このエンゲージメントはすぐには結果に結びつかないかもしれませんが、対話した多くの企業の中でアニマルウェルフェアの芽が育ち始めています。 受賞に至らなかった中には、日本マクドナルドの鶏肉について統合報告書への記載、トリドールホールディングスの豚の妊娠ストールについてのポリシー、キユーピーのHOBOTAMA市販開始など大企業の取り組みも検討の俎上にのぼりました。しかし、2022年度は、インパクトがあって表彰ができる事例は多くはなかったと考えています。なぜなら企業は内々で進めてはいても、より具体的な情報公開に踏み切れなかったからです。 アニマルウェルフェアを企業価値に変え、いつかやってくる投資のために備えておく必要があります。またESG投資のアジェンダの一つとしてアニマルウェルフェアが意識されるようになっています。そのような中でポリシーや目標、取り組みの見えない日本企業の評価は常に低くでてしまいます。なぜなら現状も目標も、何も公開されていないからです。1%でも10%でも、現状を把握し、公開していくことで取り組みは評価されます。むしろ100%になった時点で発表することは企業にとっても社会にとっても何の価値も生み出さないことを自覚しなくてはなりません。現状と目標、それに向かう過程の公表こそが、社会課題を解決するための鍵なのです。 2023年度、企業の取組みが見えてくることを願っています。 最後に、アニマルウェルフェアを上げることを検討し、行動をしてくれたすべての企業に感謝します。 ありがとうございました。なお、受賞企業にはあらためてお礼をお伝えいたします。…