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日本には、ケージフリーで飼育される鶏の割合の公式なデータがない。つまり全体の数字はわかるがどんな飼育方法なのかを国は正確に把握していない。一方で、ヨーロッパ諸国や米国、韓国、オーストラリアやニュージーランドなどには公式なデータがちゃんとある。 つい先週の2023年10月11日には米国USDAが発表したデータによると2023年6月時点で38%の鶏がすでにケージに閉じ込められていない。果たして日本はどうなのか。政府は平飼いの鶏の割合ではなく、国際鶏卵委員会が発表する平飼いの農場の割合を使ってくる。これは全く正確ではなく、比較のしようがないし現状の分析にも使用しにくいデータである。なぜならケージ飼育の場合、20万羽、100万羽などの鶏が1つの農場に詰め込まれているが、ケージフリーの場合は1つの農場に多くても10万羽を超える程度、一般的には数千羽といったところだからだ。 現状を把握できないところからは、改善策を導き出すことは難しい。国はそもそもアニマルウェルフェア改善をしようと思っていないということの現れかもしれないが、わたしたち市民、消費者、企業は違うはずだ。アニマルウェルフェアを高めていくことは重要な社会課題である。 そこで、アニマルライツセンターでは2023年夏に、ケージフリーで飼育をしていると確認される養鶏場に対し、電話での聞き取り調査を行った。また一部WEBサイト上で公表されているデータを加え、日本でケージに閉じ込められていない採卵鶏(正確には産卵中の成鶏)の数を割り出した。 結果、国内のケージフリー飼育の鶏の割合は、【1.11%】※であることがわかった。 これまで、1%にも満たないと試算していたため、その認識からするとケージフリー飼育の割合は増加している。実際に1000羽以上飼育する養鶏場の場合は、羽数を増やす傾向にあり、万単位での増加をしている養鶏場もあった。また、こちらの養鶏場のようにケージ飼育から平飼い飼育に切り替えた養鶏場もあった。 この数字をどう捉えるべきか 1.11%という割合は、明らかに日本のアニマルウェルフェアの遅れを表している。世界では欧米、オーストラリアなどは飼育される半分以上の鶏がケージフリーに切り替わっている時代であり、アジアでも韓国は4.6%(公式データより)、インド22%、インドネシア12%だとされている。 日本国内のみに絞って評価をすれば、「1%もあるの?」と思っていたよりも多いと感じて驚く企業もある。平飼い卵の調達に苦労している企業としてはこの数字でも多いと感じるのかもしれない。 しかしこの1.11%はどう考えても世界最低レベルであり、日本はまさにアニマルウェルフェアのスタート地点にようやく立ったといったところだろう。 98.89%の鶏たちが極限状態で苦しんでいる。98.89%の鶏たちをすべて、ケージから解放しなくてはならない。世界と同様に。 ※電話による聞き取りアンケート、及びサイト等での公表データの累計 アンケートに協力いただけなかった平飼い養鶏場もあるためケージフリーの鶏の割合が多少増える可能性あり…
前年度に国内のアニマルウェルフェアにとって効果的だった企業に贈るアニマルウェルフェアアワード。鶏賞、豚賞、魚賞が決定しました。 アニマルウェルフェアアワードは畜産水産動物福祉の向上に取り組むNPO法人アニマルライツセンターが、前年度(2022年4~2023年3月末)までの間のアニマルウェルフェア向上に最もインパクトのあった企業を評価するものです。今年は魚賞をはじめて贈ることができたことをとても喜んでいます。 https://www.hopeforanimals.org/animal-welfare-award/ 採卵鶏:鶏賞 汐文社様 汐文社は2022年12月に児童書『いつか空の下で さくら小ヒカリ新聞』(堀 直子/作 あわい/絵)を出版しました。この本は採卵鶏のアニマルウェルフェアについて深く知ることができ、かつ心に響く作品でした。この本は現在全国各地の図書館などに配架されており、認知度が課題であるアニマルウェルフェアの解決策となりえます。 採卵鶏の隠された飼育実態を児童書の分野で初めて表現したこの作品を勇気を持って出版したことを評価しました。 三和食鶏様 三和食鶏は茨城県にある成鶏(採卵鶏)の食鳥処理場です。2019年にアニマルライツセンターとの話し合いの後から社員の意識向上のための教育と改善を始め、放血不良の割合を10分の1に、到着時の死亡鶏の割合を9分の1に減らしました。 経営者のアニマルウェルフェアへの積極性と社員に自ら考えさせるという意識向上の方式により、改善が日本でも可能だということを示し、実質的に鶏の苦しみを減少させた点を評価しました。 養殖魚:魚賞 ニッスイ様 ニッスイは事業のメインである魚の分野でアニマルウェルフェアの取り組みを公開した最初の企業です。養殖魚の96%において、事前のスタンニングを行い、またその改善の検討をしていることを公表しました。国内での養殖魚におけるアニマルウェルフェアが進まない中、重要な一歩です。 国内水産業におけるアニマルウェルフェアにいち早く取り組み、その内容を公表したことを評価しました。 豚:豚賞 コープ自然派様 コープ自然派は妊娠ストールフリーについて専用のチラシや記事、カタログなどで、度々組合員及び市民に向けて発信しています。実際に調達する豚肉の多くも妊娠ストールフリーであり、中規模生産者のフリーストール化をともに進めてきました。 自ら需要を作り出しながら生産者の良い取り組みを応援するという理想的なサイクルを作るという積極的な取り組みを評価しました。 ※今回肉用鶏に関する受賞はありませんでした。 ■アニマルウェルフェアは国内でも企業の重要アジェンダに 2022年度、私達は本当に多くの企業と対話をしました。このエンゲージメントはすぐには結果に結びつかないかもしれませんが、対話した多くの企業の中でアニマルウェルフェアの芽が育ち始めています。 受賞に至らなかった中には、日本マクドナルドの鶏肉について統合報告書への記載、トリドールホールディングスの豚の妊娠ストールについてのポリシー、キユーピーのHOBOTAMA市販開始など大企業の取り組みも検討の俎上にのぼりました。しかし、2022年度は、インパクトがあって表彰ができる事例は多くはなかったと考えています。なぜなら企業は内々で進めてはいても、より具体的な情報公開に踏み切れなかったからです。 アニマルウェルフェアを企業価値に変え、いつかやってくる投資のために備えておく必要があります。またESG投資のアジェンダの一つとしてアニマルウェルフェアが意識されるようになっています。そのような中でポリシーや目標、取り組みの見えない日本企業の評価は常に低くでてしまいます。なぜなら現状も目標も、何も公開されていないからです。1%でも10%でも、現状を把握し、公開していくことで取り組みは評価されます。むしろ100%になった時点で発表することは企業にとっても社会にとっても何の価値も生み出さないことを自覚しなくてはなりません。現状と目標、それに向かう過程の公表こそが、社会課題を解決するための鍵なのです。 2023年度、企業の取組みが見えてくることを願っています。 最後に、アニマルウェルフェアを上げることを検討し、行動をしてくれたすべての企業に感謝します。 ありがとうございました。なお、受賞企業にはあらためてお礼をお伝えいたします。…
内部告発により判明していた茨城県農林水産部畜産センターの牛に対する数々の動物虐待について、動物愛護管理法44条2項違反として石岡警察署に刑事告発しておりましたが、1月20日付で被疑者8名及び茨城県が水戸地方検察庁に送検されました。 同畜産センターでは、飼育する牛(乳牛および肉牛)に対し、金属製の掃除道具で腹を叩く、顔を削蹄用の鉄やすりで叩く、竹棒で叩く・突く、こぶしで顔を殴る、足で蹴る、足を振り上げてかかとを体に落とす(いわゆる「かかと落とし」)、傷めている足を金属製スコップで突くなどの暴行が日常的に行われていました。また、糞尿で泥濘化した放飼場で牛を飼育するなど、動物愛護管理法44条2項違反に相当する飼育実態もありました。 牛も愛護動物として、みだりな殺傷・虐待から法的に保護されています。このような虐待を見逃してしまえば、畜産の現場における動物たちへの扱いを改善することはできません。今後の虐待抑止を願い、同センターおよび実行犯を厳罰に処すことを求め、刑事告発したものです。 証言をした元従業員は下記のように述べています。 「現場の監督も、技術の更新や設備の投資も怠っていた茨城県の責任は大きい。県は改善を報告しているが、過去の行いが消えるものではなく、厳正に処罰してほしい。」 なお、本告発は、下記の4団体の連名で行いました。今後、処分決定まで、推移を注視していきたいと思います。 【告発団体】 特定非営利活動法人動物実験の廃止を求める会(JAVA) 認定特定非営利活動法人アニマルライツセンター(ARC) 認定特定非営利活動法人動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN) PEACE 命の搾取ではなく尊厳を…
2021年11月11日、豚たちにとって素晴らしいニュースを届けることができます。日本ハムが、以下の発表をしたのです。 アニマルウェルフェアに配慮した取り組みの推進 全農場の妊娠ストール廃止(豚) 2030年度末までに国内全農場にて完了※ 全処理場内の係留所へ飲水設備の設置(牛・豚) 2023年度末までに国内全拠点に設置完了※ 全農場・処理場への環境品質カメラの設置 2023年度末までに国内全拠点に設置完了※ https://www.nipponham.co.jp/csr/nhgroup/materiality-list/ 2030年妊娠ストールフリーへ! これまでアニマルライツセンターは、日本ハム株式会社と対話を重ねてきました。その中で私達の意見、主張に真摯に耳を傾けてくれました。社内での多くの調整、障害を乗り越え、今年2月にはすでに2農場が妊娠ストールフリーになっており、また新設する農場では妊娠ストールフリーにすることを表明していました。しかし、やはり能動的に切り替え、妊娠ストール飼育の終わりの期限を設定してほしいという願いを伝えていました。 その後、日本ハムは重要課題の一つにアニマルウェルフェアを据え、5月に発表した中長期計画の中の重要課題の中には、環境や人権と並んで動物福祉が含まれました。同時にVision2030を設定していますが、日本ハムが2030年にこうありたいと願う姿の中には、豚たちが妊娠ストールから解放されていることが含まれていたのです。 移行期間9年を長く感じる人もいるかも知れません。しかし、多くの海外企業も同様の期間をかけて、移行を進めているのです。私達アニマルライツセンターはこの日本ハムの決断を心から歓迎します。 2023年飲水設備完備へ! 日本の豚のと畜場の86%には、飲水設備がありません。新しくと畜場を建設する場合と建て替える場合には飲水設備をつけなさいというのが厚生労働省の対応で、その後改善が膠着状態に陥っていました。日本ハムは建て替えるわけではなくても2023年に飲水設備の完備を終えると表明しました。 2023年までにCCTV設置! 英国やフランス、イスラエルでは、と畜場など動物を扱う場所にCCTV、つまりカメラの導入が進んでいます。カメラが設置されているだけで、動物への扱いは穏やかなものに変わるという事実もあります。 以前の話し合いの中で、「人の手が介在すれば虐待的な扱いがどうしても発生する。監視カメラなどを他国は導入している。そういった裏付けなく丁寧だとは表現できない。」と説明し、適正な取り扱いを担保するための方法としてのカメラ設置をアドバイスしました。しかし、まだ私達はカメラ設置を決断するのはまだ先なのではと思っていたのです。 日本で初めて、実現します。アジアでも先進的です。海外輸出が多いタイの企業や、欧米やオーストラリア向けの食肉を加工する場合にはCCTVをつけるとしているところはありますが、自国の消費をメインとする日本企業が実現を表明してくれたのです。 この取組みは、国内の多くの豚、そして肉用鶏の福祉を大きく向上させるはずです。 世界に通用するアニマルウェルフェアへ大きな一歩 日本ハムの決断は、間違いなく動物たちの苦しみを減らすものであると同時に、国際的に通用するアニマルウェルフェアを目指すものでした。この具体的で、間違いなく畜産の現場に反映される変化こそ、動物たちが必要としているものです。 今後も多くの食品企業が、アニマルウェルフェアの変化を受け入れ、具体的な変化につながる未来を、一緒に描いてくれることを願います。…
メディア掲載実績 アニマルライツセンターの活動や、アニマルライツセンターの意見が掲載された雑誌や新聞。メディアへ寄稿したもの。TV出演などを掲載します。(すべての情報を網羅していません) 2025年 2025年6月23日 読売新聞「科想空間 ケージフリー卵とマヨネーズ」(紙面のためWEBリンクなし)にアニマルライツセンターのコメントが掲載 2025年5月11日 朝日新聞「効率求め「拘束飼育」される豚、容認する国 動物福祉向上へ法改正を」で動物の未来サンクチュアリの豚と院内集会の様子が掲載 2025年4月23日 オルタナ「アニマルウェルフェアアワード2025にシャトレーゼなど」 2025年2月28日 朝日新聞夕刊「「工場畜産」から救い出せるか 豚の「拘束」廃止へ国内大手に動き」にアニマルライツセンターの動物の未来サンクチュアリが掲載 2025年2月12日 朝日新聞 sippo「庭を走り、泥浴びをし、仲間を思いやる―畜産用の豚を保護して見えた本来の姿」に寄稿 茨城県畜産センター告発に関する報道(動物保護団体などと記載されています) https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20250124/1070026283.html https://gendai.media/articles/-/146401 https://www.nikkansports.com/general/news/202501240000641.html 3月20日、3月27日ラジオ成田『Peacelly Music』 にゲスト出演 4月22日、かつしかFM『KFM-Katsushika Fun Maker』にゲスト出演 2024年 2024年12月9日 朝日新聞…
2019年7月1日に、皆様からいただいた闘鶏の禁止を求める署名を沖縄県知事、及びすべての沖縄県議会議員に提出しました。 2019年6月20日からの10日間で、13,634名の方が署名をしてくださいました。皆様の温かいお心に、心から感謝申し上げます。引き続き署名を続けていますが、また多くなった時を見計らって再度提出いたします。 アニマルライツセンターとクックハウスの連名で、署名とともに、「闘鶏の禁止の条例制定を求める要望書」も提出しました。これに対し、8月2日付での回答がありました。(※回答は要望書の下部に貼り付けてあります) 回答の中で沖縄県は、条例を定めるとすれば警察所管であることを明記していますが、条例の制定の可能性についてはあるともないとも回答していません。また、警察との連携や情報把握に努めているという回答でありました。 しかし、これまでクックハウスが何度情報を提供しようとも、警察は何一つ遺棄というとてもわかり易い犯罪についても成果を上げていません。鶏の飼育にあたっては家畜伝染病予防法でも届け出が義務であり罰則もあります。オスの鶏ですから、鳴き声は毎朝響くはずです。日本の警察の捜査力はそこまで低いものだったとはショックです。それとも、検挙する気がないという意志の顕れでしょうか。 引き続き、皆さんの力を貸してください。 署名してください! 今すぐ署名する 意見を届けてください! 沖縄県警察 opinion@police.pref.okinawa.jp 沖縄県知事 kouhou@pref.okinawa.lg.jp / FAX098-866-2467 / その他の連絡先:https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kohokoryu/kense/chiji/tayori.html 虐待の定義 回答中には、虐待であるか否かは「社会通念により判断」される旨をわざわざ説明しています。しかし、この沖縄県で起きている闘鶏に対し、もはや書く必要のない内容であることは明白です。いわゆる牛の角つきのような行事とは異なり、わたしたちが禁止を求めた原因となっている闘鶏は、隠れて行われており、更には目を潰されたり血みどろで発見されるなどが事実としてある中なのです。沖縄県で、これが社会通念上虐待ではないと考える可能性を持っているのでしょうか。 かなり古い環境省(内閣府の時代)には、警察庁の見解として、以下のものが出されています。 警察庁では、伝統行事として行われるものであっても、残虐であれば同法第 13 条に該当すると解している。 闘犬、闘牛について残虐かどうかは、当該闘犬・闘牛が動物を死に至らせ又は以後の生存に重大な影響を及ぼすような傷を負わせる性質を有するかどうかを基準として判断している。*1 まず相応の理由がなければ闘わせる行為自体、環境省の言う「やってはいけない行為」*2です。さらに理由があったとしても(ようするになければ当然)罰則にあたるとされているのです。昔から。 闘鶏の禁止の条例制定を求める要望書 沖縄県知事 玉城 デニー 殿…
楽天やAmazonやその他WEBショップを使う方はHachidoryのリンクから飛ぶと、ポイントがアニマルライツセンターに寄付されます。 ソフトバンク携帯をお使いの方は携帯電話料金の請求と一緒に寄付をできます。 切手や書き損じハガキで、私達は企業に要望書を送付することができます。 いつものお買い物で支援 ソフトバンクの支払いと一緒に寄付 切手・はがきを寄付 電気を切り替えて寄付 いつものお買いもので支援 アニマルライツセンターは、とても良い人材と人と人のつながり以外の財産がとても少ない小さな団体です。 あなたが楽天やAmazonやYahoo!ショッピングなどでお買い物をする時、 アニマルライツセンターの運営するヴィーガンライフスタイルの情報サイトHachidoryにあるバナーをクリックしてお買い物することで、お買い物した金額の1%~8%ほどが、動物たちのための支援金になります。 本や食材、旅行、洋服など、お買い物の時に、ほんのひと手間、動物のために。 このリンクをクリックしてAmazonでお買い物をすると、お買い物の金額の2%~8%が紹介料としてアニマルライツセンター入金され、動物のための支援金になります 楽天やその他のWEBショップ 楽天やレンタカーや旅行などは、こちらのページから各リンクをクリックしてください。 アニマルライツセンターの姉妹サイトであるHachidory.com(ヴィーガンエシカルなライフスタイルWEBマガジン)のこのページを経由して、楽天やYahoo!ショッピングでお買い物をすると、お買物金額の1%が紹介楼としてアニマルライツセンターに入金され、動物のための支援金になります。 その他、ボディーショップやニールズヤードレメディーズで化粧品やアロマなどを買ったり、じゃらんやJTBなどの、旅行サイトで旅行や宿などを予約したり、美容院を予約したり、CDを買ったり、、、 普段のお買い物の時に、ほんのひと手間をかけてください。 リンク先(ヴィーガンライフスタイルの情報サイトHachidory)のページから、それぞれのバナーをクリックしてお買い物を楽しむだけです。 ソフトバンクの支払いと一緒に寄付 ソフトバンクユーザーの場合は、携帯料金と一緒にお支払いができます。 その他の携帯キャリアのユーザーは、クレジットカード(VISA、マスターカード、JCB、Diners Club、American Express)で寄付が可能です。※2019年11月22日から 下記はソフトバンクユーザーの寄付の流れです。 切手・はがきを寄付 アニマルライツセンターでは、郵便で要望書や意見書、資料を送ることが多々あります。また、ハガキで意見を要望する活動や、イベント等の案内をすることも多々あります。みなさんのお家で切手や切手付きハガキが眠っていたら、どうか動物のために役に立てて下さい。 ※使用済みのものは申し訳ありませんがお引き取りしても使うことができません 切手(いくらのものでも構いません) 切手付きハガキ(未使用or書き損じハガキ)…
著作権・画像等利用規約 【著作権の帰属】 当サイトに掲載されている記事、写真、イラストなど文字・画像等のコンテンツの著作権は、特に記載のない限り、ARCに帰属します。 また、当サイトにはARCに著作権が帰属しない情報も多数掲載されています。それぞれ、出典などが記載されています。 【画像の使用について】 これらの情報は、著作権法上認められた場合を除き、無断で転載、複製、放送、公衆送信、翻訳、販売、貸与などの利用をすることはできません。ARC以外の 著作権者がいる場合は著作権者の許諾も必要です。また、記事の抜粋や要約についても著作権上の問題が生じることもあります。 ARCに帰属する動物に関係する写真、動画については、ARCサイトへのリンク・またはアニマルライツセンターの記事および写真の引用であることを明確に表示することで、転載・引用は自由です。 ただし商用利用をすることはできません。 【文章の使用について】 ARCに帰属する動物に関係する記事、文章については、ARCサイトへのリンク・またはアニマルライツセンターの記事および写真の引用であることを明確に表示することで、転載・引用は自由です。 ただし商用利用をすることはできません。 【引用の方法】 引用または転載をする際は、引用部分が分かるようにクレジットを明記してください。また引用先がWEBサイトの場合、アニマルライツセンターのサイトへのリンクをお願いいたします。 SNS規約 1. 目的 本方針は、アニマルライツセンターのすべてのアカウント(以下「ARC SNS等」という。)の運用に関する事項について定める。 2.基本方針 ARC SNS等は、アニマルライツセンターの活動や動物の現状や課題を発信することにより、動物問題の理解を深め、動物のための活動を広げ、動物の苦しみの軽減につなげることを目的とする。 また、ARC SNS等は、専ら情報発信を行うものとし、コメントは可能な範囲で行うものとする。意見・問い合わせ・相談については、「問い合わせフォーム」において受け付ける。 3. 運用方法 ARC SNS等は、SNS担当スタッフまたは各グループリーダーが以下のとおり運用することとする。 発信する情報…
動物を犠牲にするファッションは、もうゼロでいい時代です。私達は動物を苦しめなくてもおしゃれを楽しむことができます。 ゼロを達成するために、あなたにしかできないことを10個ピックアップしました。ぜひ実践してください! 1: 毛皮に反対するチラシを配ったり、ポスティングする チラシはこちらからご請求ください。 2: お店の人にチラシを受け取って貰う チラシはこちらからご請求ください。 3: ファッション雑誌に毛皮を掲載しないでとお願いする 4: テレビでリアルファーを見かけたらテレビ局に意見する 5: 自分の務める会社にファーフリー推奨するように提案する 6: ファーフリー宣言をしていないアパレルブランドに電話やハガキやSNSで意見を届ける 7: お客様の声に毛皮を売らないでほしいと投函する 8: ファーフリーのアクションに参加する 9: 家の前にファーフリーのポスターを貼る ポスターはこちらからご請求ください。 10:毛皮反対Tシャツ、トレーナーを着る、ファーフリーグッズをカバンにつける アニマルライツセンターのYahoo!ショッピングから買う 動物たちを守るための活動を拡大していくために、アニマルライツセンターの会員になったり寄付もお願いします。アニマルライツセンターは動物の犠牲を減らすため、力を尽くします。…
チラシやポスターはPDFでダウンロード、または印刷したものをご請求いただけます。 すべてご寄付で制作・印刷しているため、送料はご負担下さいますようお願いいたします。 アニマルライツ「すべての動物に思いやりを」 PDFファイル 工場畜産を終わらせよう! PDFファイル ミートフリーマンデー PDFファイル NO毛皮「毛皮を買わないという選択を」 PDFファイル NOフォアグラ「フォアグラは動物虐待の証拠」 PDFファイル NOミルク「もー信じられない!牛乳のうそ&ほんと」 PDFファイル 子供向けチラシ「アニマルウェルフェアってなあに」 PDFファイル バタリーケージ廃止へ!「ケージフリー卵にしませんか?」 PDFファイル(A4サイズ表裏) ポスター(屋外可)A2 (42 cm × 59.4 cm) PDF チラシやポスターのご依頼ありがとうございます。 チラシは全て寄付金で作成しています、そのため送料のご負担にご協力をおねがいいたします。 着払いで発送します。予めご了承ください。 ※チラシの着払いの料金目安 トータル140枚までは500円ほどの郵便局のサービスでお送りします。…
2025年1月20日、日本郵便が哺乳類、鳥類、爬虫類の生きた動物輸送のサービスを廃止することを決定したことを発表した。 ゆうパックであらゆる動物が安易に配送され多数死亡していたこの問題は、以前からアニマルライツセンターで要望を継続していたものであり、多くの市民が郵便局に対して意見をしてくれていた。 2023年にも動物輸送廃止と改善の要望を送っていたが、「ゆうパックの内容品が生きた動物であるか否かなどによる取り扱いの区別ができない」ため動物輸送は継続するとしていた。特に問題がある点は、日本郵便が一切の動物への配慮をしておらず、死んでもいいのであれば送付してよいとQ&Aで説明してたことだ。「全国の郵便局で、日々多数の荷物を扱う上で、動物の生理・生態・習性にあったサービス等のご提供は困難」とし、一切のケアを行わないことも明言していた。 2024年には再び内部告発をもらい、講演会や国会議員向けのヒアリング等で問題点を訴えてきた。 詳細はこちらのページにまとまっている。 https://arcj.org/crack-down-on-animal-transportation/ これらの投稿を受け、多くの人が日本郵便に生きた動物輸送のサービス廃止を求めてきたが、高齢化社会に対応するためなど不可思議な回答を貰う人が多かった。 そのような中で、今回ようやく1歩改善が見られ、哺乳類(もともと引き受け不可だった)、鳥類、爬虫類の配送を辞めるとした。 改善を評価したいものの、残念ながら私たちが訴えてきた本質的なことは伝わっていないようだ。 これまでも哺乳類の配送は引き受けないとしていたゆうパックだが、実際には中身を一切確認しないため、活餌や両生類、爬虫類と品物名に書き、哺乳類や鳥類を箱に入れ送られてきたからだ。今後もゆうパックは両生類、魚類、昆虫などの動物は引き受けるとしており、そうすると中身を確認しないのだからこれまでと変わらず、哺乳類や鳥類爬虫類が一緒に箱に入れられることだろう。箱のなかでごそごそと音がしたり、鳴き声がしたとしても中身を確認しないのだから、防ぐことはできない。 また、動物への配慮がなされないのだから死亡前提であるという点も改善はなされていない。爬虫類は愛護動物で罰則の対象だから引き受けないが、両生類や魚類の苦しみはどうでも良いといっているようなものだ。 さらに、そもそも倫理的な理由と、衛生的な理由、感染症などの人と動物の健康の理由からも、宅配便のような簡易な動物輸送は廃止されなくてはならない。 一歩踏み出した日本郵便に、以下の2つの意見を再度届けてください。 すべての動物の配送サービスを廃止すること 動物を配送する場合は、その動物の習性、生理にあった環境(気温、湿度、換気、給餌給水、緊急時の医療体制)を整えたサービスに変えること ゆうパックのサイトには今でも 「なお、配達時に死亡していた場合において、当社は責任を負いません。」 「輸配送中に特別な取扱い(温度(気温、水温)の調節、換気(通風の確保)、えさや水の補給等)を行わないため、これらの措置が必要なものはお取り扱いできません。」 と書かれている。愛護動物でなかったとしても、私たちと同じように苦しみ、痛みを感じ、感情を持ち、個性を持つ動物たちが、これからも、ゆうパックのトラックで長距離、長時間(数日にわたって!)輸送され、人知れず苦しみの中で死ぬのだろう。 動物を宅配便で送ることから手を引いてほしい。…
7年前にもチャリティTシャツを作ってくれたJAMMINが再びアニマルライツセンターのチャリティTシャツを作ってくれることになりました! 今回のテーマはもちろん私たちの運動の最も重要なトピックスである鶏。 Tシャツからスウェット、トートバック、ポーチ、エプロンなど様々なグッズが、最も苦しねられる陸生動物の採卵鶏・産まれたその日に殺されるひよこ・最も多く殺される陸生動物のブロイラーのイラストと”ALL LIVES ARE WARTH THE SAME”の言葉とともに描かれています。 すべての動物が同じように価値がある。 2月2日日曜日の夜中にきっかり終わってしまいますので、この1週間でぜひお買い求めください。 1商品につき700円がアニマルライツセンターに寄付されます。 ーーー※販売期間は終了しました ご報告 みなさまのグッズの購入と、記事のシェアによって、414,730円がチャリティとして寄付されます。ありがとうございました。 みなさまと、鶏たちを描いたおそろいグッズを持ってアクションやら、活動やらでお会いできることを楽しみにしています!ご協力ありがとうございました! と、いうことで、、、いち早く完成物を動物の未来サンクチュアリで着用してみました。…
世界では今、畜産動物や実験動物のような産業に利用される動物の規制が強まっています。日本でも大手食品企業はアニマルウェルフェアのポリシーを掲げるようになり、多数の企業が化粧品のための動物実験を廃止しています。 一方、国の法整備、規制は全く進んでいません。畜産動物や実験動物も対象であるはずの動物愛護法ですが、その検討から畜産動物や実験動物が後回しにされています。化粧品の動物実験の法的禁止も40カ国に増える中、日本ではようやく超党派議員連盟での検討が始まったところです。農林水産省がアニマルウェルフェアに関する飼養管理指針を作るも、強制力がなく、日本の法整備は最低ランクに位置づけられています。 そこで、畜産動物、実験動物それぞれについて、専門家、企業など様々な分野の方にご登壇いただき、異なる視点で情報提供をしてもらい、今後の国の政策のあり方を国会議員や市民の皆さんとともに考えます。 ■日時: 2025年4月15日(火) 10:30~12:30 10:00開場(10:45までロビーにて通行証を配布) 10:30開始 12:30終了(予定) ■場所: 衆議院第一議員会館 大会議室 (東京都千代田区永田町2丁目2-1) 最寄り駅 国会議事堂前駅(丸ノ内線・千代田線)/永田町(有楽町線・半蔵門線・南北線) ■参加方法: 下記のフォームからお申込みください。 参加申込みフォーム ※参加費:無料 ※定員(200名)になり次第、申込受付を締め切ります。 プログラム: 10:00開場(10時45分までロビーにて通行証を配布します) 10:30スタート ◆開会挨拶 NPO法人動物実験の廃止を求める会 事務局長 和崎聖子 ◆特別ゲストスピーチ 立教大学 社会デザイン研究科特任教授 河口眞理子氏 ◆実験動物の現状…
14番と同じ農場に、57番という牛もいました。57番の苦しい最後についても、元従業員が克明に記録しており、レポートにしてくれました。みんながカフェや給食で飲んだり、料理に入れて食べたりする牛乳のために、14番も57番も、奴隷として暮らし、苦しみの中で殺されていきました。どうか最後まで読み、57番のことを知ってください。 乳牛は、乳がたくさん出るように品種改良されています。そのため代謝障害などの病気が多く、起立不能になることも珍しくありません。私が働いた農場でも起立不能になった乳牛がいました。その牛は起立不能になって13日後に殺処分されました。 https://vimeo.com/1061678466 57番のお話 その牛は57番と呼ばれていました。57番は腰を痛め、足を引きずっていました。朝夕の搾乳のために移動させられる時は、一歩進んでは止まり、一歩進んでは止まりながら、足を震わせて歩いていました。 跛行牛は足がX脚になります。搾乳する時は牛の後ろ足の間からミルカー(搾乳器)を入れて乳頭に装着するのですが、X脚になってしまった57番の後ろ足の間からはミルカーを入れることが難しく、従業員に無理やり足を開かされていました。搾乳が終わって牛舎に戻る時も、牛舎までの10mを、長い時間をかけて戻っていました。 牛床からなかなか立ち上がることができないでいると、痩せて骨ばった体を、掃除道具でガンガンと音が鳴るほど叩かれて起こされ、搾乳室へ追い立てられました。57番はもう乳があまり出なくなっていたのですが、それでも毎日朝夕の二回、しぼんだ乳房から乳が搾り取られました。 そしてある日、57番の乳からブツがでました。ブツと言うのは絞った乳汁中に出てきた凝固物のことで、乳房炎を示すものです。ブツが出た牛の乳は出荷できません。 やせ細った57番 足を引きずりながら搾乳室へ追い立てられる57番 獣医師に診てもらったところ、57番は第四胃変位にもなっていました。腰を痛め、足を引きずり、乳房炎で第四胃変位にもなってしまった57番を、社長は潰すと言いました。潰すというのは殺すという意味です。 57番は搾乳を止め、分娩ペンへ移動されることになりました。分娩ペンというのは分娩前後の乳牛が収容される囲いのことで、57番のほかに分娩間近の乳牛も入れられていました。ほんとうなら病気の牛だけが収容されるペンがあればいいのですが、そのような余分なスペースがありませんでした。 57番の耳標は紛失していました。社長が言うには、耳標が無い状態で殺処分はできないということで、再注文した耳標が届くまで殺処分を待たなければなりませんでした。 分娩ペンに移動させられた2日後、57番は立つことができなくなりました。 分娩ペンで起立不能になった57番(手前の牛) 57番は立てなくなっても、這いずるようにして時々場所を移動していました。寝返りしたかったのです。57番はずっと同じ側を床につけたままでした。体重の重い乳牛は寝返りを打たなければ血行不良になり、麻痺や壊死にもつながります。起立不能になった牛は自力で寝返りができないため、一日に最低でも3-4回、寝返りしてあげなければなりません。しかし社長は57番をそのままにしていました。 57番が寝返りできずに3日たち、私は社長に、57番に寝返りをさせる必要があると伝えました。しかし社長は「そうしたほうがいいんだけどね」とやる気がなさそうでした。農場で働くのは社長と私を含め、常時2-3人しかいません。私は一人で57番の寝返りを試みましたができず、どうすればいいのかと悩みました。そしてこの日の午後、土砂降りになりました。 どしゃ降りの雨が57番に降り注ぐ 分娩ペンのサイドにはカーテンが取り付けられていましたが、それはボロボロで8割がた外れてしまっていました。そのため分娩ペンに雨が大量に入り込み、57番に降りかかりました。突然の豪雨に57番は驚き、立とうともがいていましたが立つことができないでいました。57番はシャワーを浴びたようにびしょ濡れになりました。 どしゃ降りが止んだ後、社長は気が変わったのか、57番を寝返らせてみようといってくれました。私はほっとしましたが、その寝返らせ方は、牛の腰角を器具で挟んで締め付け、それを重機で吊り上げるという方法でした。ガリガリに痩せて飛び出した腰角だけで支えられて吊り上げられる姿は、見るからに痛々しいものでした。 重機で釣り上げられる57番 重機で寝返りされた57番 寝返った57番の、ずっと床に着いていた側の体は茶色くしめっていました。こんなになるまで放っておいて申し訳ない気持ちでいっぱいでした。 社長はその後も、57番をなかなか寝返りさせようとしませんでした。それで私はたびたび社長に57番を寝返りさせないといけないと訴えました。社長はやっても意味がないと渋りながらやってくれる時もありましたが、最後のほうは「もうこのままのほうがいい」「やっても同じだから」とやってくれなくなりました。 結局57番が起立不能になってから殺処分されるまでの13日間、寝返りさせてもらえたのはたった5回だけです。57番はどんなに苦しかっただろうと思います。 分娩ペンの敷料は数週間に一度程度しか交換されなかったため、寝たきりの57番の尻の周りには糞がたまり、足元には尿の水たまりができ、動けない57番にはたくさんハエがたかりました。 私は仕事が終わると57番の下半身をマッサージしました。57番はさらにやせ細り、目ばかりが大きくなっていました。 57番の足元にたまった尿 57番の体にたかるサシバエ 起立不能になってから、57番は二度横転しました。…
ひよこ鑑定士の学校である初生雛鑑別養成所での虐待的扱いについて、この養成所を運営する畜産技術協会に改善を促してます。 最初の要望と回答 再要望についての回答をいただきました。この中で、絶食状態を改善し給餌の可能性と方法についての検討が始まること、コンテナに入れられるヒナの密度の適正化の徹底、月曜日に搬入されたヒナを金曜日まで利用することの廃止が示されました。また、結論は明確ではないものの、安楽殺の方法についての改善の検討が始まっていることもわかりました。一歩一歩ではありますが、改善に向かっています。 回答 1:温度管理について 湿度の改善をしてくださるとのこと、ありがとうございます。また、空調も行っているとのことでした。しかし、元講習生によると、初生雛たちは「口を何回も開けて苦しそうに息が荒くなっていた」と述べており、これは高温によるパンティングである可能性も考えられます。温度管理、密度、雛を入れたコンテナの管理状態を再度見直していただきたくお願いいたします。 (回答) 鑑別の講習の際には、コンデナ内のヒナが過密にならないようにして実習を行うように、講師が講習生に指導を行うとともに、過密な状況を確認した場合には、講師がヒナを移動させる等の対応を取っています。引き続き、ヒナの管理については、アニマルウェルフェアに配慮した対応を取るように、講師及び講習生への指導を行います。 2:雛の保管時の配慮 「風通しと換気のための空気動線の確保等に配慮」とのご回答でしたが、コンテナに入れ高く積み上げられ一列に置かれている状態が配慮されている状態でしょうか。右の写真は火曜午前の鑑別講習に使用した後の雛ですが、積み上げられている状態で、最下部の雛、中段の雛、最上部の雛では環境が異なることがわかります。また温度も最下部と最上部では違いがあると思われます。 さらに、密度について「120羽から80羽」に改善しているとのことですが、80羽が適正とは思えません。右の写真は火曜日の午前の鑑別講習に使用した後の雛ですが、これを適正というのは無理があります。(実際の羽数不明ですが写真からは50羽程度に見えます)搬入後、実習後、両方の飼養状態をご確認いただき、再度改善をご検討くださいますようお願いします。 (回答) 2頁目のコンテナの写真は、待機用の箱ではなく、講習生がヒナを手元に置いて川実習する時の写真と思われますが、鑑別の実習に際しては、講師から講習生にヒナが過密にならないようにコンテナに入れて実習を行うように指導しています。 御指摘のようにこの写真のヒナの密度は極めて高くなっているため、適正な調整が行われていない状態となっています。このような状態での実習が行われることがないよう、講師及び講習生への指導の徹底を行います。 換気については、温度等を見ながら、特に夏期には換気のために扇風機を使い、風も初生雛に直接当たらないよう配慮し間接的に風を流すなどの必要な対応をしています。このため、1頁の写真は、少し涼しい頃の写真と考えられ、コンテナ内の温度こも配慮して重ねて置いている状態と思います。いずれにせよ、引き続きヒナの管理については、アニマルウェルフェアに配慮した対応が取られるよう指導を行います。 3:給餌について 給水については方法をご検討くださるとのこと、ありがとうございます。一方、給餌については「初生雛の体内に残る卵黄中の栄養が消費されるまでに孵化後2〜3日を要するため、給餌の必要性は低い」とのご見解ですが、アニマルウェルフェア上は孵化後すぐに給餌することが望ましいことがわかっています。孵化直後の給餌は免疫系の発達を促進し、ストレス耐性を向上させ、逆に、給餌の遅れは、ストレスホルモンの増加と感染症への感受性を高め、死亡リスクを増加させる可能性があります。孵化直後の餌供給が腸の発達を促進し、ストレスホルモンの分泌を抑制し、雛の長期的な健康に寄与する可能性があると指摘されています。孵化直後の給餌の遅れは、ストレスホルモンの増加や体重の減少を引き起こし、雛の生存率を低下させる可能性があります。特に、48時間以上の遅れは致命的な影響を及ぼし、鶏のウェルフェアを著しく損なうと結論付けています。このような背景から、ブロイラー養鶏ではオンファームハッチングと呼ばれる農場内孵化が増えてきていますし、私たちも生産者にはこの技術の導入の検討を要望をしているところです。給水はもちろんのこと、給餌についてもご検討くださいますようお願いいたします。 (回答) 給水方法につきましては、検討を開始したところです。併せて、給餌の可能性やその方法等についての検討を行います。 4:殺処分のタイミング 「毎週1回の安楽死処置ではなく、卵黄の栄養に果りがあるため、実習が終わったら直ぐに安楽死処置を講じています」とご回答頂きましたが、再度、事実確認と改善をお願いします。元講習生によると、月曜に搬入された初生雛は、実習に使用された後すぐには安楽殺されず、水曜日にまとめて安楽殺をされていたと証言しています。もしかしたら貴団体のマニュアルではそのように規定しているのかもしれませんが、規定や規則がどうであれ、現場では守られないことは多々あります。効率化や、怠慢な勤務といったことは、よくあることですが、動物の命を扱う上ではあってはならないことです。実習終了後すぐに、別部屋にて、安楽殺を確実に行ってください。 (回答) 現在、ヒナの安楽死処置は、月曜日に導入したとナについては、水曜の実習後、14時頃、木曜日に導入した導入したヒナは、金曜日の実習後、16時頃に安楽死処置を講じています。 ご指摘も踏まえ、来年度の講習においては、月曜日に導入したヒナを実習に使用するのは火曜日までとして、水曜日の実習は中止する予定です。 5:安楽殺方法について 改善を図ってくださるとのこと、ありがとうございます。ただ、ご回答いただいた改善内容では不十分であり、再度要望させていただきます。 告発した講習生は、「青いバケツの中に袋を入れ、その中に初生ひなを次々と入れて講師に渡します。講師がそのバケツの中に二酸化炭素ガスを注入し、袋の口をしばる」という方法であったといいます。つまり、多数の雛が折り重なった状態の袋にガスを注入しており、これでは早期の致死は不可能です。さらに、複数の動物の殺処分において、人の手で都度、二酸化炭素ガスを注入するというあいまいな方法は、雛の配置場所と属人的な要素と動物の個体の状態により結果にブレが生じることが容易に予測され、結果があまりに不安定であり、取るべき方法ではありません。そもそも「家畜の農場内における安楽死に関する技術的な指針」にも書かれている通り、「脳幹反射のない(瞳孔の拡大や呼吸の欠如等)確実な死に至るまで、家畜を常に観察する」ことは必須ですが、袋に複数羽入れられた状態で死亡確認を確実に行うことは困難です。つまり、複数羽を袋に入れて人間が二酸化炭素ガスを注入する方法は、安楽に動物を殺処分することも、指針に沿うことも難しいと考えられます。一般社団法人日本種鶏孵卵協会では昨年3月に「ふ化場におけるアニマルウェルフェア推進ガイドライン~雛の安楽殺に関する推奨手法について~」を作成しています。より多くの羽数を殺処分する孵化場での改善が進む中、頸椎脱臼や二酸化炭素充填による方法では不十分です。最低限、アニマルウェルフェアに対応するためには、アニマルウェルフェアの評価が済んでいる海外のガス安楽殺装置を導入することが必要と考えます。サイズ的にはキャビネット式ガス安楽殺装置などが考えられます。自家製の安楽殺装置もあるようですが、これはアニマルウェルフェア上の懸念が残っており、避けるべきです。さらに、畜産業ではなく学ぶ場であることから、畜産業より安楽な殺処分方法が求められます。二酸化炭素のみの殺処分は適切な装置を使えば”まし”ではあれど、苦痛を伴います。養成所では、イソフルランのような吸入麻酔薬を使った安楽殺を採用してくださるよう、切にお願いします。これについては、国内では野生動物の安楽殺で実用化(イソフルラン混合の吸入麻酔で意識喪失後、CO2暴露による致死)しています。ある大学医学部の実験動物(ひよこ)の殺処分方法としてはイソフルランと空気混合気体を、装置を用いて吸引後、より確実に致死させるため頸動脈切断による脱血させる方法での安楽殺が規定されています。 (回答) 安楽死処置の方法については、一般社団法人日本種鶏孵卵協会が作成された『ふ化場におけるアニマルウェルフェア推進ガイドライン〜雛の安楽殺に関する推奨手法について〜』を参考に、改善方法の検討を進めているところです。 なお、麻酔薬の使用については、獣医師が常駐することができないこと、また管理方法の難しさ等から、弊会での対応は困難と考えています。…
サンクチュアリの豚たちは、家畜保健衛生所の情報によると4歳でやってきた。なので、現在はおおよそ5歳だ。まだまだ若いのだが、やってきてから半年間、発情期は来ていなかった。男子は生まれてすぐに無麻酔で去勢手術をされているので発情しないが、女子はそうではない。女子の発情は激しく、そのために柵を頑丈につくったという経緯もある。でも、まったく激しい時期は訪れないため、そうでもないなーなんて油断していた。人間で言えばホルモンバランスが崩れて生理が止まったと言った状態だろうか。 11月の朝、少し大人しくなって何かを訴えてくるそらちゃん。つらそうに見えたため、慰めるように撫で、抱きしめていると、あれ・・・?興奮してきた! ぶっぶっぶっぶとリズミカルに声を出し、柵に体を乗り上げて、ぐいぐいぶんぶんくる。サンクチュアリにやってきてちょうど半年のその日、そらの発情が始まった。 その2日後、ひかりの発情も始まり、さらにその2日後に友の発情が始まった。 スタッフを追い回し、じっと見つめ、体を乗り出し、興奮して手が付けられないかと思いきや、ぼーっとしてつらそうな目をして訴えてくる。 このときから、21日周期ほぼぴったりで発情が来るようになった。 人間を追い回すだけなら良かったのだが、そらはパートナーの風太にいらいらをぶつけるため、そらの発情中は風太がけがをすることもでてきた。 ひかりは、いらいらを誰にもぶつけずにボール遊びに興じている。みんなのアドバイスで、食欲で気をそらすことが効くことがわかり、にんじん探しゲームに教示させたりしている。 さて、この発情、工場畜産ではわかりにくくなることが課題になっている。 理由は、品種改変と、環境の乏しさ、人工的なホルモン管理・人工授精の影響、遺伝的多様性の低下、飼料の影響、繁殖サイクルの短縮などが挙げられる。だが、3人のはっきりした発情期を考えると、遺伝的なものよりも、劣悪で自然な行動を一切奪われた環境要因や飼料要因、または薬剤によるホルモン管理の影響が強いことがわかる。ウィンドレスの豚舎が増えていることも豚たちのホルモンバランスを崩している。発情がわかりにくくなったりする課題解決のために業界が行うことは、発情検知の装置を開発すること。だが、これは誤りだ。動物により自然な環境、ストレスの少ない環境を用意し、運動させ、まともな体を維持させてほしい。 *https://austinpublishinggroup.com/veterinary-science-research/fulltext/avsah-v4-id1029.php *https://doi.org/10.1017/S1751731109990814 *https://doi.org/10.21521/mw.6894 *https://doi.org/10.3390/agriculture14071084…
1年前の3月4日、ひかりは、生きる希望を得た。 犬たちが次々救われていく中で、取り残される自分と自分の仲間たち。 畜産動物の保護団体なるものがあらわれた。 自分たちのことばかりを撮影する変な人たち。 はじめて新鮮なバナナとりんごを食べた。 待っててねって言われた。 迎えに来るよって言われた。 檻の外には想像していた世界よりももっと素晴らしい世界があった。 https://vimeo.com/1066240834?share=copy ひかりは特別な豚だ。人間顔負けの頭の良さなのだ。 ひかりは養豚場では、死んでしまった咲と弟と思われる大地(オス)と同じ檻に入れられていた。 咲は足にひどい怪我を負っており、つらそうにしていた。大地は人が来ても寄って来ず、静かに寝ていた。ひかりだけは、人が来たら寄ってきて外をうかがい持ってきたリンゴやバナナも一番に食べた。 サンクチュアリにやってきた当初、ひかりはあらゆるものを調べて壊していった。250キロの豚にまだ慣れていない私達をからかうように、スタッフを追い回して楽しんでいた。油断するとぶんと振り回した上半身で、ふっとびそうにもなった。そんなひかりと接しながら、最初の1ヶ月ほどは、体の弱い咲がもしも生きていたら、ひかりに追い詰められていたかもしれないと思ったりもした。 でもそれは大きな間違いだった。 私達はいまは確信している。 体の弱い咲が生き延びていたのも、ひかりが面倒を見ていたから。 認知力がちょっと弱くておとなしい大地が生き残っていたのは、間違いなく、ひかりが面倒を見ていたからだ。 他の檻には1頭か2頭が残されていたが、ひかりのいた檻だけは3頭の豚が出荷されず死にもせずに残されていたのが、それもひかりが何かしらの工夫をし、人間の様子をうかがい、人懐こさを発揮し、もしくは仲間をかばっていたからなのだろうと想像できる。 ひかりは仲間に気をくばり、困っていたら助ける。今もそうだ。 でも、ひかりという特別な豚は、じつは特別ではない。 ひかりのような能力の高い、思いやりに溢れた豚が、日本中の、世界中の檻の中に閉じ込められ、殺されている。 拘束され、糞尿にまみれ、やることもなく、ただ息をするだけの短い一生を強いられ、恐怖と絶望の中で殺されている。 国内だけで、年間1677万頭が毎年殺される。 こんなすばらしい豚たちを、一切その習性や能力を発揮させず、ただ閉じ込めて殺すなんてことは、大きな損失だと思う。彼女たちを知り、深く関わり、誠意を持って接し、そして殺さなければ、人間はもっと素晴らしい体験を享受できる。 たかだか肉をたくさん食べたい、という欲…
アニマルウェルフェアの必要性>活動家向け 畜産動物のアニマルウェルフェアについて企業との交渉をし、市民意識向上のための啓発をし、政治家にロビー活動をしていますが、アニマルウェルフェアについて反対したり不要だという人はいない。だが、残念ながら2つの層からの批判や反対意見をもらうことがある。一つは動物虐待層といえる動物はどうでもいい、他人はどうでもいい、むしろ傷つけることに興味があるとするような人たちだ。もうひとつが、廃絶主義と呼ばれる人たちだ。これはゲイリーフランシオンという学者が唱えた分類だ。廃絶主義の主張は理論的にまっすぐだが、現実的ではないという問題を抱えている。近しい存在なだけに、批判され苦しい思いをする仲間もいるが、考え方が異なることを理解しておくとスッキリするだろう。 動物保護運動にはさまざまなアプローチが存在するが、世界の主要な動物保護団体の多くは「廃絶主義(Abolitionism)」ではなく、「アニマルウェルフェア(Animal Welfare)」の改善を重視している。これは、動物の苦しみを即座になくすことが困難な現実に対応しつつ、長期的に畜産の縮小と動物の権利向上を目指すためである。 廃絶主義が採用されにくい理由 廃絶主義は、すべての動物利用を即時廃止することを求めるが、畜産産業の規模と社会経済的な影響を考えると、このアプローチは現実的ではない。例えば、世界では毎年850億頭以上の畜産動物が飼育・消費されており、水産動物の数に至っては計測不能なほど多い。このような状況で「今すぐ全廃」を求めても、多くの人々の共感を得ることは難しく、政治的にも受け入れられにくい。 また、歴史的な社会変革の多くは、段階的な改革を通じて実現してきた。奴隷制度の廃止や女性の権利運動も、まずは待遇改善や部分的な権利獲得から始まり、最終的に制度全体の変革へとつながった。動物保護運動も同様に、現実的な改善を積み重ねることで、長期的な意識改革と制度の変革を目指すべきである。 主要な動物保護団体の例 【World Animal Protection】 WAPは、動物の扱いを段階的に改善することを重視しており、特に畜産動物の福祉向上に力を入れている。たとえば、鶏のケージ飼育の廃止を促進し、代替のケージフリー飼育への移行を支援している。これにより、何億もの鶏がより良い環境で飼育されるようになった。 【Animal Equality】 この団体は、動物福祉の基準を引き上げることを目的とし、企業や政府との協力を通じて、畜産動物の扱いを改善する取り組みを行っている。例えば、多国籍企業と連携して、動物福祉の基準を満たす製品のみを使用することを推奨する政策を進めている。 段階的なアプローチが有効な理由 段階的な改革を採用することによって、動物福祉の改善と同時に、畜産業界全体の変革を促すことができる。 社会的受容性の向上 急進的な廃絶主義は、一般の消費者や政府の支持を得にくいが、動物福祉の向上は受け入れやすい。 すべてを否定することにより最初から拒絶されるやすく、この事により動物への正しい理解を得ることが難しくなる。一方、アニマルウェルフェアを学び、配慮することで動物本来の習性や感情、個性を知ることになり、これは消費削減に繋がる可能性が高い。まずは「より良い扱い」を求めることで、動物に対する意識を変えていくことができる。 畜産業界への圧力 動物福祉基準の向上は、卵や鶏肉の場合はの生産コストを増加させるため、長期的には畜産の縮小につながる。(外国産に切り替えることでコストを減らすことが可能だが現在の飼育を改善しようとするとコスト増になる) 企業の倫理的責任を追及し、企業がアニマルウェルフェア製品を調達し持続可能な代替食品(培養肉、植物性食品)の導入を促進するとなれば生産者は動かざるを得なくなる 法制度の確立 動物福祉の法制化が進むことで、強制力のある規制が導入され、動物の扱いが大幅に改善される。 例えば、EUのように段階的に畜産動物の福祉向上を進めることで、持続可能な変革を実現できる。 チャンスを逃さない 世界の動物保護団体が廃絶主義ではなく段階的な改革を選択するのは、現実的な成果を上げるためである。畜産動物の数が膨大であり、肉食の文化が根強く残る中で、「今すぐ全廃」という主張は実現可能性が低く、かえって動物保護運動の信頼を損なうリスクがある。 一方で、動物福祉の向上を進めることで、動物の苦しみを減らしながら、社会の意識を変えていくことができる。このアプローチは、歴史的な社会変革と同様に、段階的なプロセスを通じて最終的な制度改革へとつながる。 実際に動物を救うためには、現実的で効果的な戦略を採ることが重要だ。そして、なによりも、動物の苦しみを減らすことができるチャンスをのがしてはならないのが動物保護団体だ。チャンスを逃さないために、私達は柔軟で、でも内側には芯の通った戦略を考え続けたい。…
2月19日、立憲民主党の松木けんこう議員を介し、浅尾慶一郎環境大臣に陳情する機会をいただきました。食鳥処理場における屠殺前の意識喪失の処理が、動物愛護法とその基準ではすでに行うこととされているにも関わらず、罰則がないために事前意識喪失をしていない鶏の屠殺場が85%を超える、環境省として是正してほしいという要望を行いました。このような課題があることを初めて知ったという反応の浅尾大臣、その場での結論はもちろん出ないが、鶏たちの苦しみに心を寄せてくれ、今後の委員会質疑なおで少しでも心の通った答弁をしてくれることを願っています。…